朝鮮民主主義人民共和国外務省スポークスマンが6日、次のような声明を発表した。
(以下全文)
最近、NATO(北大西洋条約機構)は声明なるもので、朝鮮民主主義人民共和国をはじめとする主権国家間の自主的な協力関係を根拠もなく誹謗・中傷し、「ウクライナ戦争を助長・延長させる全ての国を糾弾する」という極めて不当な妄言を並べ立てた。
NATOの新任事務総長のウクライナ訪問にタイミングを合わせたこの声明発表劇は、NATOが親玉である米国の対朝鮮敵視政策に口を極めた言葉で便乗するのに飽きたらず、反朝鮮対決戦線の第一線に乗り出そうとしていることをはっきり示している。
朝鮮民主主義人民共和国外務省は、米国の単なる戦争道具に過ぎないNATOが、ウクライナ事態の本質を歪曲し、自主的な主権国家間の合法的な協力強化を中傷・冒涜したことに強い遺憾を表すとともに、それを断固糾弾・排撃する。
今日、欧州地域の安全環境を核戦争勃発という重大な危機に直面させた張本人であるNATOが、ウクライナ事態を助長したみずからの過ちを深刻に反省する代わりに、その責任を他国に転嫁し、みずからの侵略政策を合理化しようとすることは、極端な2重基準と非論理的思考に染まり切った米国の厚顔無恥な振る舞いそのものである。
朝鮮半島地域におけるみずからの軍備増強策動と、特定国家を狙って本土の武力まで投入し繰り広げる戦争演習騒動は「自由」を「防御」するためで、それに対応して朝鮮民主主義人民共和国が行う自衛権行使と必須の防衛活動は、「平和」を「威嚇」する行為であると、白黒を逆転させるのがまさに米国である。
ウクライナに対する殺人装備の提供に天文学的金額の軍費を使い果たし、ロシア領土に対する攻撃を公に煽り立てながらも、みずからの戦争行為は戦争を「防止」するための努力であり、主権国家間の正常な関係樹立は、戦争を助長し延長させる行為であると、強盗さながらの論理を持ち出すNATOの振る舞いは、盗人猛々しさの極みであり、それは米国が伝播した悪習である。
われわれは、20世紀の冷戦終息と共に、歴史の舞台から消え去るべきだったNATOという戦争の怪物が、血で塗られた自己の存在名分を見出すため、ウクライナ事態という戦争賭博を始めたのに次いで、今日、また別に名分を立てるため、黒い魔の手を朝鮮半島とアジア太平洋地域へ伸ばしている現実を厳正に注視している。
覇権を追求する米国の野望の所産として強盗さながらの2重論理、2重基準に基づいてつくられ、緊張激化、戦争策動によって命脈をつないできたNATOが、いまだに存続している事実自体が最大の地政学的悲劇である。
米国の非論理的思考とシナリオに従って、朝鮮半島とアジア太平洋地域で一層露骨になっているNATOの挑発的行為は、悪名高い「戦争の化け物」の追加的な存在名分ではなく、徹底した死滅の理由だけを積み重ねている。
もし、NATOが朝鮮民主主義人民共和国に対する敵視政策にあくまでも執着し、わが国家の尊厳と自主権、安全利益を引き続き侵害しようとするなら、それによって生じる悲劇的な結果の全責任は、米国に盲従・盲信したNATOが負うことになるであろう。
朝鮮民主主義人民共和国は、米国とその追従勢力の敵対的脅威からみずからを守り、地域の平和と安全を守護し、国際的正義に基づいた多極化された世界を建設するため、重大な努力を引き続き傾けていくであろう。
(了)
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