コリアニュース №422(2011.4.18)
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北南対話、「条件なく開催」か
 北と南の間で6者会談首席代表会談が近く条件なしで開催されるとの観測が強まっている。

 南朝鮮の「文化日報」(15日)によると、米国を訪問した南朝鮮政府高官が「非核化のための南北対話が条件なしで行われるだろう」との見通しを示し、「これは既存の包括的南北対話とは異なり、『天安艦』、『延坪(ヨンピョン)島』事件を前提条件にしない」ものであり、「中国が提起した6者会談首席代表会談と通じるもの」であると述べたという。これは朝中が合意した北南の首席代表による会談を南側が事実上受け入れたものであり、南側が北南会談に条件を提示しないことによって対話が近く行われる可能性が出てきた。また同高官は、北南対話と朝米対話の関係について、「南北対話で成果がなければ米朝接触がないということではなく、これは弾力性のある交渉であり、南北対話での北の態度を見ながら、対話に相乗効果をもたらすべきと判断すれば米朝対話が行われるであろう」と述べたという。

 一方、米国を訪問していた6者会談南朝鮮代表の魏聖洛(ウィ・ソンラク)外交通商部韓半島平和交渉本部長は12日(現地)、カート・キャンベル国務次官補など米政府高官との会談後、「天安艦」、「延坪島」の問題に関する北側の謝罪は、「6者会談の前提条件というよりは、6者会談に影響を与える要素であり、謝罪が会談再開に直接につながってはいない」と述べ、北側の謝罪が同会談再開の「前提条件」にはならないとの認識を示している。

 6者会談再開への取り組みについては、北京で金桂官(キム・ゲグァン)朝鮮外務省第1次官と会談した武大偉・中国外交部朝鮮半島特別代表(6者会談代表)が11日、北南の首席代表会談を第1ステップ、朝米会談を第2ステップとする6者会談再開の「段階的計画」を検討しているという中国側の立場を明らかにしている。また、これに先立つ7日には、金外務第1次官とキャンベル米国務次官補が同日に北京を訪れていたことから、朝鮮、中国、米国の間ではこの「計画」が伝わっていたのではないかとの観測もある(Korea News No.421参照)。

 16日には、ヒラリー・クリントン米国務長官と金星煥(キム・ソンファン)南朝鮮外交通商相がソウルで会談し、6者再開に向けて南北非核化対話が先行されるべきであるとの共通認識を示した。また、17日のハンギョレ新聞は、南朝鮮政府当局者の話として「(6者再開への第1ステップとされる)南北間の非核化対話において、(天安艦、延坪島が)議題となるかは未定である」としながら、「6者再開と『天安』謝罪を分離」と伝えている。

 6者会談再開に向けた動きが活発化しつつある中、関係諸国と真に足並みをそろえることができるのか、対話による懸案解決の努力を阻む足かせに再びなってしまうのか、李明博政権の今後の動きが焦点となりそうだ。(了)
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