コリアニュース №425(2011.5.2)
印刷
南朝鮮補欠選挙でハンナラ党が惨敗 MB政権のレイムダックが本格化か
 去る27日に南朝鮮の38選挙区で行われた補欠選挙での与党ハンナラ党の惨敗により、李明博政権が窮地に追い込まれている。

 今回の補欠選挙は来年の総選挙を占う「前哨戦」と位置づけられ、今後の政権運営を占う非常に重要な選挙であったが、主に国会議員(3議席)、道知事(1議席)、区及び郡長(6議席)の勝敗に注目が集まった。

 特に国会議員補選ではハンナラ党の地盤である首都圏の京畿道城南市盆唐区で、ハンナラ党の姜在渉(カン・ジェソプ)元代表に果敢に挑んだ、民主党の孫鶴圭(ソン・ハッキュ)代表が勝利するなど、野党の民主党が2議席、民主労働党が1議席を勝ち取りハンナラ党は完敗した。

 一方、共にハンナラ党王国と言われていた江原道知事選でも「天安艦事件」の真相について鋭く追求してきた民主党の崔文洵(チェ・ムンスン)候補が、知名度でも勝るMBC元社長のハンナラ党の厳基永(オム・ギヨン)候補を破り、道知事に見事当選した。

 南朝鮮のプレシアンは29日の記事で、通常の投票パターンを見ると中産層はハンナラ党を支持し、庶民は民主党をはじめとする進歩政党に投票する傾向があったが、ハンナラ党の土壌である選挙区で民主党が勝利したことは中産層、特に20代~40代の若年層がハンナラ党に背を向けた結果の表れであると分析している。

 今回の選挙結果を受け、李明博大統領の信頼が厚い任太熙(イム・テヒ)大統領室長らも28日に辞意を表明。ハンナラ党執行部も全員が辞任する考えを表明しており、2カ月以内に党大会を開いて新代表などを決める動きもあるという。

 南の保守新聞である朝鮮日報も28日、「ハンナラ党、ようやく民心をわかったか」という社説を掲載したが、来年の大統領選挙と総選挙に対する危機感を隠しきれない模様だ。

 2日のハンギョレ新聞によると李大統領は来る8日~14日のヨーロッパ歴訪前に改閣を発表し、今月下旬に青瓦台の人事を改編する予定というが、北南関係を対決方向に導いた玄仁沢統一部長官も交代されるという。

 ハンナラ党内では次期党代表として朴槿恵・元党代表の「待望論」が浮上しているが、南朝鮮のビューズアンドニュースも4.27選挙直後に実施された李大統領の支持率は、1月前に比べ13.2%も急落したと伝えており、今後の支持率急落は避けられないと推測している。 「天安艦」と「延坪島」で足首をしばられ、カーターが携えた金正日総書記の「前提条件のない対話」の提案に答えらない李大統領の対北政策に、選挙結果がどのような影響を及ぼすのか今後の動向が注目される。(了)
●「朝鮮中央通信社」  http://www.kcna.co.jp/
朝鮮の国営通信社「朝鮮中央通信社」の公式サイト。 朝鮮政府の公式見解だけでなく、政治、経済、文化などのニュースを朝鮮語、英語、日本語で閲覧できます。
●エルファネット  http://www.elufa.net
総聯映画製作所が管理運営するエルファネットでは、在日朝鮮同胞の活動、生活や文化、教育など様々な情報のほか、朝鮮民主主義人民共和国の報道を含む最新情報や朝鮮映画、コンサートやアニメまで楽しいコンテンツを配信しています。是非アクセスしてご覧下さい。