コリアニュース №435(2011.6.20)
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今年5月の金正日総書記の訪中を契機に急進展する朝中経済協力
 金正日総書記が5月20~26日に非公式訪中した直後から、朝中経済協力が本格化している。6月9日の新華社通信によると、6月8日と9日に朝鮮と中国の西と東の国境地帯に設けられた黄金坪経済地帯と羅津・先鋒経済貿易地帯の開発プロジェクトの着工式がそれぞれ大々的に行われた。また、6月7~9日には昨年10月11日に発足した両経済地帯を朝鮮と中国が共同管理する「開発合作連合指導委員会」の第2回会議が行われたという。ここで朝中両国は「両政府の指導の下、企業が主となり、市場原理で運営され、相互利益を追求する」との4大原則に合意し、「両者の長所を十分に生かしながら両経済地帯を朝中経済協力のモデル・ケースにすると同時に、世界各国とも経済協力が出来る空間に育成していくことを強調した」という。

 朝鮮側が作成した「朝-中羅津・先鋒経済貿易地帯と黄金坪経済地帯の共同開発計画要綱」によると、羅津・先鋒経済貿易地帯では基礎施設と工業団地、物流網と観光の共同開発と建設に重点を置き、原資材工業、整備工業、先端技術工業、軽工業、サービス業、現代高効率農業などの6大産業を集中的に育成するとしている。黄金坪経済地帯では、情報と観光文化、現代的な農業施設と軽工業など4大産業を育成し、先端技術密集型経済地区を開発するとしている。

 清朝末期の1860年に締結された「北京条約」にもとづき沿海州がロシア側に渡って以来、東北地方からの海への出口が閉ざされてきた中国は、羅先経済貿易地帯の共同開発によって、150年の宿願であった「朝鮮東海への出港権」を得ることとなった。6月9日には吉林省延邊朝鮮族自治州の琿春から羅津港までの53km区間の道路補修工事が始まった。

 中国の経済週刊紙・経済観察報は6月18日、朝鮮側が黄金坪経済地帯の開発権を香港の世界的な半導体企業である新恒基グループに譲渡することが有力視されていると報じた。同紙によると、新恒基グループは賃貸料として朝鮮側に年間5億ドル相当を現金または物資で支払い、総額100億ドルを投資して同経済地帯を開発する計画であるという。黄金坪経済地帯ではインターネットや携帯電話の使用が可能で、製造業の企業はもちろんのこと外国の金融機関の常駐が許されるという。また、私有財産権が保証され投資資産の譲渡が可能であり、通貨流通のための朝中共同の金融機関が設立されるという。とくに注目すべき点は、投資で損失が出た場合、中国政府が損失額の80%を補填する仕組みになっていることだという。中国政府の手厚い保護もあり中国や香港の複数の有力企業が黄金坪開発への参加に意欲を見せているという。(了) 朝鮮の国営通信社「朝鮮中央通信社」の公式サイト。 朝鮮政府の公式見解だけでなく、政治、経済、文化などのニュースを朝鮮語、英語、日本語で閲覧できます。
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