コリアニュース №437(2011.6.28)
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米国のジョン・ケリー上院外交委員長:「米国は北朝鮮と直接接触しなければならない」と指摘
 米国のヒラリー・クリントン国務長官と南朝鮮の金星煥(キム・ソンファン)外交通商部長官が24日、ワシントンで会談し6者会談再開のためには北南会談が先行されなければならないという既存の「3段階プロセス」について再度合意したようだが、米国のジョン・ケリー上院外交委員長が26日付のロサンゼルス・タイムズへの寄稿文で「米国は北朝鮮と直接接触しなければならない」と主張し注目を集めている。

 ケリー委員長は同寄稿文で朝鮮半島が過去のどの時期よりも危険な状況だとしながら「北朝鮮の行動に対して米国の対応は慎重で堅固であったが適切ではなかった」と指摘した。また「米国は強力な対北制裁と共に南朝鮮と日本と緊密に協調するという接近方法をとっているが、これだけでは北朝鮮の行動変化はもちろん、状況を安定させるのに充分ではない」としながら「このまま放っておけば、北朝鮮は核兵器を追加生産し核実験をするであろうし、米国を直接脅かすミサイルを開発するであろう」と警告した。

 特に同氏は、昨今の状況の中で6者会談の再開が現状を打開する方法にはならないとしながら「米国がむやみに待つのは危険な状況をより悪化させるだけ」であり「最善の代案は米国が北朝鮮と直接接触すること」だと主張した。そして「脅威を減らし朝鮮半島を非核化の道にもどすための方法を探さなければならない」とし、現在の状況では「敏感な問題についての会談をすぐに始めるのは難しい」ので「人道的な事案(食糧支援、米軍の遺骨発掘)を媒介に北朝鮮と接触し関係を形成しながら、北朝鮮の核放棄などのより難しい課題を解決しなければならない」と強調した。

 

 
キャサリン・スティーブンス駐南朝鮮米国大使:「金大中前大統領の平和と統一のビジョンを実現しよう」と強調
 キャサリン・スティーブンス駐南朝鮮米国大使が、去る6日に西海の珍島にあるクンガン公園で行われた「顕忠日」(ヒョンチュンイル)記念式典での演説内容を20日、自身のブログで公開し物議を醸し出している。

 (注:「顕忠日」とは南朝鮮において国に忠誠を誓って犠牲になった人々を追慕する日のこと)

 スティーブンス大使は演説で、米国のキリスト教神学者のラインホールド・ニーバーの「いくら善いことでも相手の立場では私たちが思うほど善いことではない。だから私たちには愛の完結体、すなわち容赦、和合が必要だ」という言葉を引用しているが「天安艦と延坪島事件への謝罪」に固執している李政権の対北政策へのメッセージとも読み取れる。同大使はとくに「金大中大統領の和解を通じた統一ビジョンを記憶している。金大統領のビジョンを実現するために決意しよう」と演説を締めくくっている。

 ソン・キム米国6者会談特使が駐南朝鮮米国大使として正式に指名され、退任を控えたキャサリン大使がなぜこの時期に李明博政権の対北政策を批判したともとれる発言をしたのか、様々な憶測を呼んでいる。

 (了)

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