コリアニュース
コリアニュース №455(2011.12.14)
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東京朝鮮学園理事長、東京都議会定例会での質疑応答を「事実無根の誤った認識に基づく差別と偏見に満ちた問答」と批判
石原都知事が12月8日に行われた平成23年度東京都議会定例会で朝鮮学校への補助金について「来年度の予算に計上しないことを検討する」などと発言したことに関して、東京朝鮮学園の金順彦理事長が13日に東京朝鮮中高級学校で記者会見を開き談話を発表し、その後の質疑応答では「拉致問題で北朝鮮に圧力をかけるため、子どもを犠牲にしている。子どもを政争や国家間の駆け引きに使わないでほしい」と切々と訴えた。た。以下に談話の全文を紹介する。

「周知のように、東京都は「私立外国人学校教育運営費補助金」を予算に計上し、議会で承認したにもかかわらず、唯一朝鮮学校に対してのみ昨年(2010)度と今年(2011)度の支給を一方的に凍結しています。

私たちは、東京朝鮮学園のみが差別的に取り扱われ、不利益を被っている状況について大変憂慮しながらも、東京都が「補助金」の趣旨と法令に則り、公平適切な判断をしていただけるものと信じ、多くの日本の友人のみなさんに励まされながら、学園の適切な運営に努めてまいりました。

しかし、12月8日に行われた平成23年度第四回東京都議会定例会における野田かずさ議員の一般質問と石原慎太郎知事の答弁を聴くに及び、驚きと憤りを禁じえないでいます。それは、わが学園に対する事実無根の誤った認識に基づく差別と偏見に満ちた問答であり、当学園の名誉と何よりも東京都内の朝鮮学校で学ぶ児童・生徒たちの心を著しく傷つけるものでした。

野田議員は質問で、「『現代朝鮮歴史』には『大韓航空機爆破事件をでっち上げ』、『日本当局が拉致問題極大化している』などの叙述がある」と述べましたが、この記述は今年度の教科書からは削除されました。また、当学園における歴史教育においては、歴史観には違いがあり歴史的事実にたいしても様々なとらえ方や考え方があることを踏まえ、朝鮮のみならず日本や世界の歴史や見解についてもしっかり教えてきましたし、今後とも一層努力していくつもりです。

また、とくに野田議員が、「神奈川県が県下の朝鮮学校に教科書の提出を求めた際に、実際使われている教科書ではなく偽装したダミー版を提出した」と発言したことには驚きを禁じ得ません。一部報道機関(産経新聞11月2日付)がそのようなねつ造記事を出したのは事実ですが、その報道が誤りであることは、すでに実証済みで、神奈川県も確認しています。

野田議員はまた一部報道機関(産経新聞11月8日付)のねつ造記事に踊らされ「朝鮮学校に支給された自治体からの補助金が、朝鮮総連へ還流されている実態が明らかにされています。」と断言しましたが、当学園が学校法人として今日まで各種法令に基づき行政に運営状況等を常に報告し、その指導に誠実に従ってきたことは、東京都側もご存知のことと思います。

野田議員の質問にはその他にも事実誤認の発言が見られますが、石原東京都知事も、それを鵜呑みにし「事実であれば極めて由々しき問題」、「極めて迷惑なはなし」と答えたばかりか、「(担当)局長から聞いた話」として、朝鮮学校は「行くと違う教科書を見せる」、「行くときに限って適当な授業を見せる」などと事実とはまったく異なる発言しています。 当学園は、機会あるごとに東京都の職員の方々に朝鮮学校の訪問を促しご案内してきましたが、残念ながら、担当局長をはじめ職員の方々が授業内容確認のために学校を訪問されたことは一度もありません。

都知事は答弁の最後に「朝鮮学校に対する補助金については、来年度の予算には計上しないことをも含め判断する」と述べましたが、以上のような事実無根の誤った認識と偏見に基づいて、外国人学校の中で唯一朝鮮学校にだけ補助金を凍結・廃止するという差別的な判断が下されるとしたら、あまりにも理不尽です。

周知のように「私立外国人学校教育運営費補助金」の趣旨は「私立外国人学校の教育条件の維持向上並びに在学する幼児、児童及び生徒に係る修学上の経済的負担の軽減を図る…」ことにあり、東京都はその趣旨に沿って朝鮮学校を適正と認め1995年の実施以来15年もの間滞る事なく補助金を支給してきました。それを政治や外交に絡め、誤った事実認識に基づいて、朝鮮学校の教育内容を問題視しながら凍結・廃止することは、日本国憲法や教育関連法に抵触し、道義的にも許されることではありません。

それはまた、石原都知事がこの度の選挙戦における「強い東京をつくる10の約束」の中で示した「すべての子供は社会の宝。教育・子育て支援をいっそう強化する」との公約にも反すると言わざるを得ません。そして、言うまでもありませんが、納税者である朝鮮学校の保護者たちにも他の都民と同じ権利が保障されるべきです。

私たちは、東京都が朝鮮学校に対する補助金の支給を一日も早く再開することを強く要求し、朝鮮学校に通う子どもたちの学びの場に対するいわれのない疑念や偏見を払拭するためにも、石原都知事や都の行政関係者の方々、都議会の方々が直接、朝鮮学校を訪れ、授業やクラブ活動の様子、そして何よりも、そこで生き生きと学んでいる児童・生徒たちの姿をありのまま見ていただきたく思います。

東京朝鮮学園は今後とも、日本に生まれ育ち暮らしてゆく、朝鮮半島にルーツをもつ子どもたちをしっかりと教え育て、彼らが地域社会に貢献することはもとより、朝鮮と日本の友好親善、ひいては国際社会の平和と発展に寄与する立派な人材に育つよう努めてまいる所存です。」(了)

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