コリアニュース №472(2012.5.24)
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G8サミットの宣言を糾弾する朝鮮外務省スポークスマンのコメント(5月22日)や米国のデイビース朝鮮担当特使の動きが示唆しているものは・・・
 朝鮮外務省スポークスマンは朝鮮中央通信の記者の質問に答え、G8首脳会談の宣言を「断固糾弾し全面的に排撃する」としながら、「米国の敵視政策が続く限り核抑止力は一瞬たりとも止まることなく拡大強化されるであろう」と警告した。

 しかし、その一方で、「対話と交渉を通じて朝鮮半島の核問題を平和的に解決できる道は依然として存在する」とし、「平和的発展に総力を集中する上で必要な朝鮮半島の平和と安全を保障するために、われわれは米国側に彼らが提起した憂慮事項も考慮して、2.29朝米合意の拘束から抜け出たが実際の行動は自制していることを数週間前に通知した」としながら、「本来、核実験のような軍事的措置は予定になかった」ことを明らかにした。

 そのうえで、「米国が引き続き制裁圧迫に固執するなら、われわれもやむを得ず自衛的見地から対応措置を取らざるをえなくなるであろう」と警告した。

 朝米間に対話のチャンネルが機能していること、ボールはすでに米国側にあることを強く示唆している。

  このコメント発表の前日、ソウルで行われた米、「韓」、日の6者会談首席代表者会談後、米国首席代表のグリン・デイビース国務省朝鮮担当特別代表は「対話は開かれている」と強調した。

 そして、ソウルではKBSが「4月7日にグァム島を出発した米国防省所属のボーイング737航空機が秘密裏に平壌に派遣された」と報道し、米政府当局はこの報道に対し否定も肯定もしない姿勢を貫いている。

  5月23日付のソウル新聞は、この航空機には朝鮮事情に詳しいデトラーニ米国家情報局傘下の非拡散センター所長と過去30年間国家情報局(DNI)で朝鮮担当副調整官を歴任したオバマ大統領の最側近であるシドニー・セイラー国家安全保障会議アジア部長が乗っていたと報じている。

 5月23日のソウルの聯合ニュースは「米国は北朝鮮が追加的な挑発をしない場合、人道主義的見地から北朝鮮に食糧(栄養)支援を行う用意があるとの立場であることが伝わっている」と報じた。

  23日には北京で6者会談の中国側首席代表の武大偉朝鮮半島特別代表とデイビース米国首席代表との会談が行われたが、その前日、中国外交部スポークスマンはこれと関連して「中国側は朝米間で2月29日に達成された合意が必ず維持され履行されるべきだと認める。

 各々が当然、接触と対話を通じて未解決問題を適切に処理すべきだ」と主張した。

  6者会談のメイン・プレイヤーである朝鮮と米国、中国との間でキャッチ・ボールが始まったかのようにも見えるが、朝鮮が3年前に核実験を行った5月25日以降にその真偽が明らかになってくるかもしれない。

 (了)

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