コリアニュース №475(2012.6.20)
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オバマ政権による相次ぐ挑発によって緊張する朝鮮半島周辺情勢
 オバマ政権による朝鮮への軍事挑発が、ここに来て相次いでいる。6月14日にワシントンで行われた第2次米「韓」外交・国防長官会議では「北のミサイル脅威に対抗する包括的な合同防衛能力を強化することで合意」し、米国は核兵器を含む拡大した抑止力を南朝鮮に提供する約束を再確認した。 

また同会議で米国は、米・「韓」・日の安保協力を強調し、「韓」日軍事機密保護協定の締結を促した。また、会談後の記者会見でクリントン国務長官は、金正恩朝鮮労働党第一書記を「ヤング・マン」と呼び「歴史に変革的指導者として残ることもできるし、過去を踏襲することもありうる」としながら、「国民に恩恵を与える選択をすることを希望する」などと発言した。 

そして6月21日~22日には戦後初めて、米・「韓」・日による合同軍事演習が朝鮮半島南方沖で行われる。口実は「災害救助」だが、それは横須賀港を母港とする原子力空母ジョージワシントンを中心とする米機動部隊と海上自衛隊の部隊が参加する軍事演習そのものである。これに続き米「韓」両軍は23日~25日に朝鮮西海で合同軍事演習を実施し、米空母ジョージワシントンはそのご釜山港に寄港するという。まさに、財政難に陥った米国のオバマ政権が今年はじめ打ち出した、国防費削減にあわせた新しい軍事戦略に沿った動きといえる。 

ここには、この軍事戦略に便乗して東北アジアにおけるみずからの軍事的役割を拡大しようとする日本の狡猾な意図もうかがえる。深刻なのは、このような戦後初めてとなる重大な自衛隊の軍事行動について、日本の政界やマスコミから何ら批判の声が上っていないことである。 

この動きには、中国やロシア政府も警戒心をあらわにしており、朝鮮の外務省はそれを挑発と受け止め強く糾弾している。6月17日には外務省スポークスマンが朝鮮中央通信の記者の質問に答える形で「米国が口ではわれわれに対して敵意がないと言いながら、このように行動で敵視し続ける限り、国家と民族の安全を担保するためのわれわれの核抑止力は強化され続ける」と主張し、「ヒラリーは、みずからの民主党政権の再執権を台無しにするほど深刻化した米国の経済難と大量の失業者を救済することに神経を使うべきだ」と非難した。 

18日にも、「13日に米国防省は、米国、日本、南朝鮮の初めての3国合同軍事演習を21日から朝鮮西海と南海で行い、そこに米国の原子力潜水艦まで動員すると発表し、14日にはワシントンで(米・日・「韓」の)軍事的謀議が行われた」と指摘し、これは停戦協定に対する乱暴な違反であり、われわれに対する公然たる挑発である」と糾弾した。そして、「朝鮮半島と地域の平和と安全を脅かす南朝鮮に対する米国の武力増強の試みはわが国のみならず東北アジア諸国をターゲットにした地域戦争の序曲である」と警戒心をあらわにした。 

交戦状態にある朝鮮半島とその周辺における米国の相次ぐ挑発が朝鮮を過渡に刺激し、取り返しのつかない事態を招きかねないことを憂慮する。(了)

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