コリアニュース №517(2013.9.30)
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6者協議再開への地ならしか、朝米が相次いで非公式接触
    複数の報道が明らかにしたように米国家安全保障会議(NSC)のベン・ローズ副補佐官が23日、「北朝鮮はすでに核兵器を持っている」と述べ波紋が広がっている中、去る25日から2日間、ベルリンで朝鮮の李容浩外務省次官らと米国のスティーブン・ボズワーズ前国務省対朝鮮政策特別代表など国務省の元高官らが参加した非公式セミナーが行われた。

 ベルリンで行われたセミナーには朝鮮側から李外務次官の他にチェ・ソニ米州局副局長、チャン・イルフン国連代表部次席大使が、米国側からはボズワーズ氏の他に、94年の朝米枠組み合意の担当官だったロバート・ガルーチ元国務省次官補、この間、朝鮮外務省の幹部と積極的に接触してきたジョエル・ウィット元国務省朝鮮担当官などが参加したという。

会談内容は明らかにされていない。

 先週のベルリンでの非公式接触に続いて、今週にはロンドンで朝鮮の李容浩外務省次官らと米国のボズワーズ氏の他にジョセフ・デトラーニ米国家情報院(DIN)国家非拡散センター前所長、レオン・シーガル米社会科学院北東アジア安保協力プロジェクト局長などが接触するという。

 そんな中、26日にワシントンタイムズの主催で「朝鮮半島のロードマップに向かって」というタイトルで開かれたセミナーでの、デトラーニ前所長の発言に注目が集まっている。

 この日のセミナーで、デトラーニ氏は「北の核問題は去る20年間、疲労感が蔓延したことは事実だが、結局、対話以外にどのような代案があるのか」と強調し、「北朝鮮の住民2300万人のための人道的責務、北朝鮮の核兵器と長距離ミサイルを扱わねばならない戦略的責務、東アジアでの核ドミノを阻止する非拡散においての責務から、この問題と向き合わざるを得ない」と述べた。

 また、同氏は「今年の春に北朝鮮が核先制攻撃まで公言する状況にまで陥ったが、まだ希望はある。

北朝鮮が交渉すると言っているし、南朝鮮にも手を差し伸べている。

…開城工業団地の再稼働は信頼という点で、5万人の北朝鮮の人々を雇用すること以上に意味を持つ。

延期された離散家族の再会を期待し、ケネス・ペの救出に行くことになっていたロバート・キング対北人権特使が再び北朝鮮を訪問することを希望する」と述べた。

 一方、26日の自由アジア放送によるとロンドンでの非公式接触に参加する予定の米国側の関係者が「北朝鮮はすでに核兵器を保有しており、核兵器の保有には至っていないイランの問題から解決すべきという米国の考えは全く間違っている」と述べたという。

 オバマ政権は「北朝鮮はすでに核兵器を持っている」というNSC副補佐官の発言に対して苦しい弁明をしながら、シリア問題とイラン問題に追われているようだが、その間にも朝鮮の核武力は並進路線に沿って増強されている。

米国が現実逃避できる時間が残り少ない中で、セカンドトラックの非公式接触がどのような結果を生み出すのか注目したい。

(了)
●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

●エルファテレビ  http://www.elufa-tv.net/


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