朝鮮民主主義人民共和国国防委員会は14日声明を発表し、米国の対朝鮮敵視政策に対する原則的立場を表明した。
以下その要旨。
わが国の分裂に直接関与したトルーマン政権から現オバマ政権に至るまでホワイト・ハウスの主人たちは変わりつづけたが、米国の対朝鮮敵視政策は変わっていない。
むしろ日を追うごとに悪辣になっている。
われわれの自衛的核抑止力に対する米国の「制裁」や「孤立封鎖」策動、軍事的威嚇行為は、朝鮮半島情勢を戦争瀬戸際の危機へと追いやり、わが国に対する「人権」騒動は限界を越えた。
さらに数日前には米国務省が公の場で、わが国の最高人民会議代議員選挙が「民主主義のモデルにならない」、100%の賛成投票について「疑わしい」などと選挙結果にまで言いがかりをつけた。
このような事態と関連し、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会は、わが党と国家、軍隊と人民の一致した意思を込めて米国の対朝鮮敵視政策に対するわれわれの原則的立場を内外に表明する。
1.米国は手遅れになる前に時代錯誤の対朝鮮敵視政策と、それに沿った全ての措置を全面撤回する政策的決断を下さなければならない。
現在米国は一方的で独善的な米国式基準と原則にしたがって、われわれを「挑発者」、「危険対象」と名指しし、「制裁」と「孤立封鎖」のレベルを無作為に高めている。
数日前には米国務長官ケリーが公の場でわが国を「悪の国」、「邪悪な場所」、「閉鎖された国」とけなし、「圧迫と制裁で外交を可能にし」われわれを屈服させなければならないと述べた。
また、3月初めにソウルに行った前米国大統領ブッシュも、「脱北者」を「英雄」と呼びわが国の制度をそのままにしてはならないと述べた。
米国は時代錯誤の対朝鮮敵視政策がもたらす破滅的な結果に直面する前に、不当な全ての措置を全面的に撤回するほうが良い。
2.米国はわれわれの核抑止力に対するしっかりとした見解と立場を持ち、「先核放棄」が対朝鮮敵視政策の「根幹」であるなどと愚かなことを言うべきではない。
朝鮮半島の核問題は前世紀50年代の南朝鮮への米国による核兵器搬入が発端となった。
当時米国は「否認も是認もしないのが米国の核政策」と言いながら、1,000発以上の核爆弾と運搬手段を秘密裏に搬入し南朝鮮の至る所に備蓄した。
その後、多様な核打撃手段をわが国の領空、領海、領土に侵入させ、われわれに対する核威嚇と恐喝を段階的に拡大させていくことで、朝鮮半島の非核化に人為的な障害をつくり出してきた。
このような状況で国と民族の自主権を守るため持つことを余儀なくされたのが、われわれの自衛的核抑止力である。
われわれはすでに多種化された核打撃手段の主な標的が米国であることを明らかにしている。
われわれの核抑止力は決して対話や関係改善のための取引手段ではないということを認識すべきである。
まして、われわれの核抑止力は米国が「認定」しなければなくなり、「認定」すれば存在するようなものではない。
現在、米国はわれわれの動きがまず変わることを望みながら「忍耐戦略」なるものに固執しているが、米国が望むような結果は永遠にもたらされないだろう。
むしろわれわれが、正常な現実的眼目と思考を持つ主人がホワイト・ハウスにやって来るまで、高度な忍耐力を持ち続けることになる。
しかし、今のように米国の核威嚇や恐喝が続く限り、自衛的核抑止力を強化するためのわが軍隊と人民の闘争は続き、その威力を誇示するための追加的措置も連続して行われるということを肝に銘じなければならない。
3.米国は新しい対朝鮮敵視政策の一環として始めたわれわれに対する「人権」騒動を直ちに中止しなければならない。
人間の基本的権利である人権が、人民大衆中心のわれわれ式社会主義制度ほど円満に保障されている国は世界中で他にない。
もちろんわれわれは他国のように裕福に暮らせてはいない。
だからといって、貧富の格差が大きく人が住めない社会、弱肉強食の専横と独断が蔓延し、真の人権が蹂躙されている米国のような資本主義社会などうらやましくもないというのが、わが軍隊と人民の立場である。
しかし、米国はわが国に対し「最悪の人権不毛地」、「暗鬱な人権社会」という表現まで使ってけなしている。
問題は、わが国に対する悪辣な「人権」騒動が、自分の国や故郷で罪を犯し親族にまで見放された追放者たちのヒステリックな狂気と訴えをそのまま引用している謀略劇、ねつ造劇であるという点である。
米国は他人の家の中のことについて、でたらめなことを話す前に自らの立場を知るべきだ。
手遅れになる前に古い対朝鮮敵視政策を一日も早く放棄し現実的な新しい政策を確立することが、米国の国益はもちろん本土の安全を担保する上でも有益だろう。
米国は現実を冷静に判断し、大勢に符合する政策的決断を下さなければならない。
(了)
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