海外同胞問題を統括する朝鮮民主主義人民共和国の政府機関「朝鮮海外同胞援護委員会」は、3月24日に東京地方裁判所が朝鮮総聯中央会館の売却許可決定をくだしたことに対し28日次のような声明を発表した。
(以下全文)
最近、朝鮮総聯と在日同胞に対する日本当局の弾圧・抹殺策動がきわめて危険な段階でくり広げられている。
すでに報道されたように去る24日、日本当局は東京地方裁判所を煽り立てて朝鮮総聯中央会館の土地と建物に対する不法な売却許可決定をくだすファッショ的暴挙に出た。
これは、総聯と在日同胞に対する弾圧を極大化しようとする日本の反動層の犯罪的悪巧みを再び白昼にさらけ出したもので、国内外の全朝鮮民族のこみ上げる憤激をかきたてている。
総聯は、在日朝鮮人の合法的権利を擁護する朝鮮民主主義人民共和国の尊厳高い海外公民団体であり、とくに総聯中央会館は朝日両国間に国交のない状態で実際にわが共和国の外交代表部的な使命を担い朝日友好・親善と東北アジアの平和のための役割を果たしてきた。
総聯中央会館問題について言うならば、日本当局がわが共和国より先に総聯を瓦解、抹殺しようとする陰険な企みの下、意図的につくり出し拡大させてきた政治的弾圧策動の代表的所産である。
歴代、日本当局は対朝鮮敵視政策を国策とし、わが共和国に対する制裁と圧殺策動に狂奔したばかりか、総聯と在日同胞に対する政治的弾圧と民族的迫害を絶えず行ってきた。
過去、日本帝国主義が行った犯罪的な朝鮮人強制連行の直接的な被害者とその子孫である在日朝鮮人の権利と財産を保護することは、日本の当然な国家的義務であり、回避できない法的、道徳的責任である。
もし、日本が自らの道義的責任を誠実に履行し朝鮮総聯を政治的に、財政的に支離滅裂な状態に陥れるための弾圧策動をここまで悪質に行わなかったならば、総聯中央会館問題はおよそ生じることはなかったはずである。
これまで、総聯は中央会館問題に関連して日本の法を尊重しながら整理回収機構と司法当局に誠意ある合理的な解決策を何度も提案した。
しかし、初めから総聯中央会館を奪い取ろうという復讐心を抱いた日本当局は、総聯の提案をすべて黙殺し、ついには売却許可決定という欺まん劇を演出した。
現在、日本当局が総聯中央会館強奪の責任から逃れようと「司法機関の判断」などと言って素知らぬ顔をしているが、それは自らの不純な犯罪的企みを隠すための弁解にすぎない。
いわゆる「法治国家」を自認する日本で、法執行の監視者という裁判所が自らの使命を投げ捨て法と裁判所の判例、競売手続き上の慣例をすべて無視した前代未聞の詐欺行為を断行する「勇断」をくだしたこと自体、今回の決定の張本人が他でもない現執権当局であることを明白に立証している。
日本当局が東京地方裁判所と整理回収機構等とグルになって、ついに総聯中央会館に対する売却許可決定をくだした下心が何であるかは火を見るより明らかである。
そこには、総聯中央の活動拠点を取り除くことによって、主体的海外同胞運動のモデルである総聯組織の権威を弱体化させ、同胞の高揚した愛国の熱意に水を差し在日朝鮮人運動を抹殺しようとする陰険な政治的目的がある。
総聯中央会館に対する日本当局の違法で非道な売却許可決定は、総聯と在日同胞の尊厳と生存権に対する乱暴な蹂躙であり、わが共和国の主権に対する重大な侵害である。
朝鮮民主主義人民共和国海外同胞援護委員会は、人間の自主的権利と正義を愛し、重んじる全朝鮮民族の名において日本当局の白昼強盗さながらの総聯中央会館強奪策動を厳しく断罪、糾弾する。
朝日関係改善のための信頼醸成がもっとも切実に求められている時期に、日本当局がむしろ不信の噴火口を意図的に開いた以上、われわれもそれ相応の対応策を講じざるを得ない。
もし、われわれの警告にもかかわらず、日本が総聯中央会館の強奪策動に執着し続けるならば、それが招くすべての結果に対する全責任は日本当局が負うことになるであろう。
日本当局は、朝鮮総聯と在日同胞に対する迫害と弾圧策動がわが共和国に対する許しがたい挑発行為であり、朝日関係を取り返しのつかない最悪の状態に追い込む自滅行為であることをはっきり認識し、分別のある行動を取るべきである。
チュチェ103(2014)年3月28日
平 壌
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