4月4日、朝鮮民主主義人民共和国の政府機関紙「民主朝鮮」が、以下のような論評を発表した。
(全文)
東京地方裁判所は数日前、朝鮮総聯中央会館の土地と建物に対する不法な売却許可決定をくだした。
これは総聯を瓦解、抹殺しようとする許し難いファッショ的暴挙である。
総聯は、在日朝鮮人の合法的権利を擁護する共和国の尊厳ある海外公民団体である。
総聯中央会館は在日同胞の権利と利益を擁護し保障するための総聯の重要な活動拠点である。
しかし日本当局は、悪辣な反総聯策動を行い、総聯中央会館を無くすための卑劣な企てを行った。
この企てにより、日本当局は20世紀末、自らの経済破綻により発生した債務返還に総聯中央会館を強制的に巻き込み、競売裁判まで行った。
東京地方裁判所は、総聯中央会館の土地と建物に対する競売時に入札額があまりに少なく入札から漏れた日本の会社を詐欺まがいの方法で再び落札者に仕立て上げた。
整理回収機構は総聯中央会館問題が初めて提起されたとき、他の債務者たちとは和解的に妥結しながら、総聯に限っては利子まで含めた全額を償還せよという強盗さながらの要求をつきつけておいて、今回は半分にしか満たない低額で売却しようとする東京地方裁判所の許可決定をそのまま受け入れた。
日本当局がこのように反総聯策動を悪辣で執拗に行ってこなければ、総聯中央会館問題はそもそも発生すらしていなかったであろう。
今回の売却許可決定により、日本当局の総聯抹殺策動がどれほど無謀なレベルに達しているかということが露になった。
日本当局の狡猾で悪辣な反総聯策動は、日本国内でも大きな物議を醸している。
今回の売却許可決定と関連し、現在日本の良心的な司法官、弁護士までもが、日本に恥をかかせる恥辱的な決定だと嘆いている。
日本当局は「司法機関の判断」と言っているが、それは総聯中央会館強奪の責任から逃れようとする弁明に過ぎない。
在日同胞について言うならば、過去に日本の帝国主義が行った犯罪的な朝鮮人強制連行の直接的な被害者であり、その子孫である。
だからこそ日本当局は、在日同胞の権利と財産を保護すべき当然の法的、道徳的義務を負っている。
在日同胞の生活を守るべき義務を負っている日本当局が、むしろ総聯を瓦解、抹殺しようと狡猾に策動するのは絶対に許されない。
今回の東京地方裁判所の売却許可決定は、わが共和国に対する許すことのできない敵対行為である。
朝日両国間に国交がない状態で、総聯は共和国を代表する外交代表部的役割を果たしてきた。
したがって、総聯を瓦解、抹殺しようとすることは、朝日関係を悪化させようとする故意的な策動であり、日本当局の反共和国敵視政策の集中的な表現となる。
現在、わが軍隊と人民は、総聯中央会館を不法に強奪しようとする日本当局の策動を、沸き起こる憤りをもって峻烈に断罪糾弾している。
そうでなくてもわが民族は、過去にわが国を占領して極悪非道な植民地統治を実施し、戦後半世紀以上の歳月が流れても血塗られた過去の罪悪について謝罪、賠償するどころか、むしろそれを正当化し再侵略の野望に熱を上げている破廉恥な日本当局者たちを消してしまえと激怒している。
万が一、日本当局がわが軍隊と人民の意志を正しく見ずに総聯中央会館強奪策動に固執し続けるならば、それが招く結果の責任はすべて日本当局が負うことになるであろう。
日本当局は、総聯と在日同胞に対する迫害と弾圧策動がわが共和国に対する許すことのできない挑発行為であり、朝日関係を取り返しのつかない最悪の状態に陥れる自滅行為であるということを認識し、分別ある行動をとるべきである。
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