4月5日、朝鮮労働党機関紙の「労働新聞」は以下のような論評を掲載した。
(全文)
朝鮮総聯中央会館に対する日本の反動勢力による執拗な強奪企図とそれを実行しようとする卑劣な陰謀策動に、わが人民の込上がる怒りが爆発している。
周知のように、東京地方裁判所は前代未聞の詐欺的方法で総聯中央会館を強制売却処分しようと妄動している。
総聯中央会館問題について言うならば、日本当局が総聯を瓦解・抹殺しようとする陰湿で凶悪な企てのもとに意図的に発生させ拡大させてきた政治的弾圧策動の代表的産物である。
問題の出発点になった朝銀信用組合の破産だけを見ても、それは全面的に在日朝鮮人の合法的な経済活動を妨害し総聯を経済的に窒息させるための醜悪な陰謀によるものであった。
当時、日本当局は巨額の不良債権を抱えて破産した自国の銀行に対しては公的資金を使って救済しながらも、朝銀信用組合に対してだけは、総聯系の銀行という理由だけで差別し破産に追いやった。
そして、その債務を総聯に負わせ総聯中央会館を生贄にしようとした。
総聯は、この問題と関連して日本の法律を尊重し日本の司法当局と整理回収機構に誠意ある合理的な解決策を何度も提案した。
しかし、それはすべて黙殺された。
日本の反動勢力の目的は初めから、債権回収でなく総聯中央会館そのものを奪い取るところにあったのである。
この前例のない不公正で差別的な措置によって、数年前に総聯中央会館の競売が宣言され、今回とうとう売却許可決定が下されることになったのである。
日本の反動勢力はすでに、このような拙劣な方法で総聯東京都本部をはじめとする数多くの総聯地方本部と朝鮮学校の建物を奪い取った。
もし、日本が総聯を政治的に、財政的に崩壊させようとする弾圧策動をこのように悪辣に行わなかったならば、総聯中央会館問題は初めから生じなかったであろう。
いま日本当局は、みずからの責任から抜け出そうと「司法機関の判断」を云々し知らないふりをしているが、そのような馬鹿げた弁解が通じるわけがない。
それは今回、東京地方裁判所と整理回収機構がグルになって売却許可決定を下した黒幕を暴けばより一層明白になる。
東京地方裁判所が日本の法と裁判所の判例や初歩的な競売手続き上の慣例まで無視し、すでに競売から除外された日本の会社を詐欺的、陰謀的方法で再び落札者に仕立て上げたことや、債権者である整理回収機構が、本来の半分にも満たない安い価格で売却される今回の競売処分で莫大な損失を被るにもかかわらず沈黙を守っていることなどはすべて、黒幕の存在を示す明白な証拠である。
日本当局こそ、今回の事態を背後で操作している張本人なのである。
数年前、総聯中央会館を強制競売するように指示した当事者が、まさに今の執権者である。
一言でいって、今回の総聯中央会館強奪騒動は、「法の厳格な適用」ではない、法の乱暴な悪用であり、単純な経済問題でなく強盗さながらの政治的暴挙である。
総聯中央の活動拠点を完全に取り除き、在日朝鮮人運動を抹殺してしまうことが、日本の反動勢力の根深い凶悪な意図である。
他にも問題がある。
最近、朝日間で赤十字会談と当局者会談など様々な形の会談が行われている。
朝日関係改善のための信頼構築がもっとも切実に求められている時期に、日本当局がこのように妄動するのは、彼らに特有な表裏の表れだとして片付けることはできない。
朝日関係において総聯中央会館問題をわが共和国に対する圧力手段の一つとして活用しようとするよこしまで悪辣な企みがないと誰が言い切れるであろうか。
総聯中央会館に対する違法で非道な売却許可決定は、総聯と在日同胞の尊厳と生存権に対する乱暴な蹂躪であり、わが共和国の主権に対する深刻な侵害である。
国家的性格を帯びる在日同胞の大切な創造物を無理やり奪い取ろうとする日本の反動勢力の策動は国家テロと同じ行為である。
われわれは共和国の貴重な遺産、富が白昼堂々と違法的な方法で奪われるのを座視するわけにはいかない。
明確にしなければならないのは、総聯中央会館を奪い取ろうとする行為は、朝日関係を取り返しのつかない破局へと追い込む時限爆弾になっているということである。
朝日両国間に外交関係がない状況で数十年間もの間、わが共和国の海外代表部的な任務を遂行してきた朝鮮総聯の中央会館を奪い取ることが、どのような結果をもたらすは明らかである。
日本当局が真摯に朝日関係改善を望むなら、朝日関係の運命を台無しにしてしまういまの状態を熟慮すべきであり、不純な目的のもとで行われている総聯中央会館の強奪策動を直ちにやめるべきである。
わが共和国の尊厳と自主権を誰も蹂躪することができないのと同じく、総聯の尊厳と権利、財産もやはり神聖不可侵なのである。
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