コリアニュース №550(2014.7.7)
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朝鮮政府、北南関係改善と祖国統一の転換的局面を切り開くための原則的立場を表明

朝鮮民主主義人民共和国政府は7月7日、以下のような声明を発表した。

(全文) 不世出の愛国者である金日成主席が、祖国統一に関する歴史的文献に生涯最後の親筆を残され20年になる。

主席は、祖国が分裂されたときから民族分裂に誰よりも胸を痛め、わが民族に統一した祖国をもたらそうと、生涯にわたって労苦と心血を注ぎ自主統一の強固な土台を整えた。

金正日総書記は、主席が提示した自主的統一路線と方案を祖国統一3大憲章として定め、二度の北南首脳の対面を成就させ、「わが民族同士」の理念の下に前進する自主統一の新時代、6.15統一時代を切り開いた。

金日成主席と金正日総書記が示した祖国統一の路線と政策、方案と方途は、もっとも正確で公明正大であるため、今日も全同胞の支持を受け、統一の前途を明るく照らしている。

金正恩第一書記は、その志を受け継ぎ、祖国統一の歴史的偉業を成し遂げるためのわが人民と全民族のたたかいを精力的に導いている。

金日成主席と金正日総書記が残された統一のための遺訓を貫徹することを最大の使命とする金正恩第一書記の指導に従い、北南関係の改善と祖国統一の新たな転換の時代を切り開こうというのは、わが共和国政府の確固たる意志である。

今日、わが民族の祖国統一のための偉業は、内外の反統一勢力の悪らつな挑戦と妨害策動によって大きな難関と試練に直面している。

南朝鮮に保守「政権」が登場して以降、6.15時代のすべての成果が無残に踏みにじられ、北南関係は最悪の破局状態となり、朝鮮半島で核戦争の危険が日々高まっている。

米国の覇権主義的対アジア戦略によって、新たな冷戦構図が形成されている東北アジア地域の情勢は複雑である。

列強の先鋭な葛藤と覇権競争が朝鮮半島を巡り激化している今日、この地の主人である北と南が百害あって一利なき対決を続けるなら、統一はおろか民族の運命は外部勢力に翻弄されるであろう。

いまこそ北と南が民族の尊厳と名誉をかけ、同胞の運命と未来を開拓しなくてはならない重大な時期である。

朝鮮民主主義人民共和国政府は、民族の前に横たわる難局を打開し、北南関係を改善し、自主統一の新たな転換的局面を切り開こうという愛国愛族の一念から次のように明らかにする。

1. 北と南は、無謀な敵対と対決の状態に終止符を打ち、和解と団結の道を開かなければならない。

いま朝鮮半島には敵対と対決が極度に達し、些細な言行や摩擦さえも危険な衝突と民族的破滅へつながりうる危険な情勢が続いている。

民族共同の偉業のために全同胞が力と知恵を合わせなければならない重大な時期に、互いに消耗的な政争で民族の惨禍を引き起す悲劇的事態をこれ以上放置してはならない。

北と南は、民族の運命のために新たな観点、新たな立場から関係改善の道を開かなければならない。

思想と制度が異なるために敵視していた冷戦時代の観念から脱するときが来た。

様々な思想や制度を持った国々が互いに協力し共存する今日の世界で、思想と制度の差異が互いに敵視し闘わなければならない理由にはならない。

南朝鮮当局は時代錯誤な敵対観念を捨て、同族対決政策を連北和解政策に替える勇気ある決断を下すべきだ。

同族に対する敵視政策の集中的所産である外部勢力と結託した各種の北侵戦争演習を全面中止しなければならない。

統一のための全同胞の献身と闘争の貴重な結実である北南合意を尊重し履行するのは、和解と団結のための基本的要求である。

南朝鮮で「政権」が代わるたびに、民族共同の合意が否定され対決に悪用される不正常な慣行は必ず終息されなくてはならない。

南朝鮮当局は、心から北南関係を改善する意思があるなら、北南首脳によってもたらされた6.15、10.4の両宣言をはじめとした北南共同の合意を尊重し、履行する道に向かわなくてはならない。

2.北と南は、外部勢力への依存に反対し、すべての問題をわが民族同士で解決しなければならない。

 千年、万年が過ぎても、外部勢力がわが民族の願いと利益を代弁することはない。

これは、事大で亡国を強いられたわが民族の過去の歴史と、今日、外部勢力の介入によって内戦と混乱に陥った諸国の残酷な現実が物語る深刻な教訓である。

北と南はいかなる場合でも、わが国の分裂を通じて漁夫の利を得ようとする外部勢力の犠牲になってはならない。

北と南は、民族優先、民族重視、民族団結の立場に立って、すべての問題を民族共同の利益に即してわが民族同士で解決しなくてはならない。

民族内部問題を外部に持ち出して「支持」を請託し、同族を害する「制裁」と「共助」を哀願するのは、民族の運命を外部勢力の籠絡物に委ねる恥ずべき事大売国行為である。

われわれの核は統一の障害でも、北南関係改善の足枷でもなく、共和国の核武力は外部勢力の侵略野望を抑止し、自主統一と民族の平和と安全、繁栄のための確固たる保証である。

南朝鮮当局は、われわれの核問題にかこつけ、外部に「共助」を請託する無謀な行為を止めなければならない。

北と南は、民族内部問題に干渉しようとする外部勢力の不当な行為を一切許してはならず、共に立ち向かわなくてはならない。

わが民族が志を集め力を合わせるなら、いかなる問題も解決できないことはない。

われわれは、北南関係、国の統一問題を民族の志向と念願に従い解決しようという立場に立つのならば、南朝鮮当局を含むいかなる人とも手を取り合うだろう。

3.北と南は、全同胞が支持し、民族の共同繁栄を担保する合理的な統一方案を目指さなければならない。

 異なる思想と制度が存在するわが国の現実の中で、連邦制方式によって統一を成し遂げるべきだという同胞の志向と要求は日毎に高まっている。

南朝鮮の保守勢力が「信頼プロセス」だの、「ドレスデン宣言」だのというベールをかぶり「制度統一」「吸収統一」を追求しているのは、時代に逆行する反民族的行為である。

北と南にはおよそ70年もの間異なる思想と制度が存在し、互いに自らの体制を固守している状況において、体制統一は即ち戦争への道を意味する。

同族が長い間分かれて暮らしてきたことだけでも胸が張り裂けそうなほど悲しいことであるのに、北と南が自分の制度だけに固執し戦争を引き起すなら、それほど恥ずべき自滅行為はないであろう。

北と南は、6.15共同宣言で北側の低い段階の連邦制案と南側の連合制案が互いに共通性があることを認め、今後その方向で統一を志向することに合意した。

北と南は、連邦・連合制方式の統一方案を具体化し、実現するために努力することによって共存、共栄、共利を積極的に図らなければならない。

4.北と南は、関係改善に有利な雰囲気をつくらなければならない。

 現在、和解と団結の有利な雰囲気を積極的に醸成することは、極度に悪化した北南関係を改善していく上で必須の前提である。

同族間に誤解と不信を助長するあらゆる誹謗・中傷から終息させなければならない。

北南間の血縁的絆と同胞愛を遮っている法律的・制度的措置を解除し、接触と往来、協力と対話の道を切り開かなければならない。

南朝鮮での「従北剔抉」騒動によって、各階層の統一への熱望が踏みにじられ、反共和国敵対意識が鼓吹される不正常な事態が、一日も早く中止されなければならない。

われわれは当面、北南関係を改善し民族団結の雰囲気を醸成するために、南朝鮮の仁川で開催される第17回アジア競技大会にわれわれの選手団と共に応援団を派遣することにした。

われわれの今回の誠意ある措置は、冷えきった北南関係を民族的和解の熱気で溶かし、全朝鮮民族の統一意志を内外に誇示することになるであろう。

上記のようなわれわれの原則的な立場と善意の措置が実現されるならば、悪化した北南関係を正常化して朝鮮半島情勢を緩和し、民族的和解と団結を成し遂げるうえで転換的契機がもたらされることになるであろう。

われわれは、北南関係と自主統一の新しい活路を開こうとする崇高な責任感から出発した共和国政府の原則的な立場を全同胞が積極的に支持し、南朝鮮当局がそれに呼応するとの期待を表明する。

チュチェ103(2014)年7月7日

平 壌

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

●エルファテレビ  http://www.elufa-tv.net/


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