コリアニュース №561(2014.10.21)
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朝米基本合意から20年「われわれはあの時も今も北朝鮮を解っていない」

今日で朝米基本合意から20年を迎えた。

米ジョンス・ポンプキンス大学の国際関係大学院(SAIS)の主催で20日に開かれた「ジュネーブ合意20周年セミナー」で当時、朝鮮との交渉を担当していた重鎮たちが「北朝鮮を解っていないのが核問題を解決できない理由」と口をそろえた。

21日、聯合通信など南の複数のメディアが伝えた。

セミナーでロバート・ガルーチ元米国務省対朝鮮特使は「1994年にわれわれは北朝鮮に対して無知だったし、2014年の今も同じだ」と述べた。

21日付の「ヘラルド経済」は、ガルーチ氏が、朝米合意が破綻した理由を「米国から安全を保障する為に核を開発している朝鮮の意図を把握できていないからだと見ている」と指摘している。

 また、朝米合意に則って朝鮮に軽水炉を提供するためにつくられた、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)初代事務総長を務めたスティーブン・ボズワーズ元米国務省朝鮮特使も、当時の合意が朝鮮の崩壊という可能性を念頭においたものだと指摘しながら、「北朝鮮が崩壊する可能性という神話は、ジュネーブ合意と関連して扱うべき唯一の神話だった」と皮肉った。

また、「今も北朝鮮を理解できず、解っていない状況は同じ」だとガルーチ氏の意見に同調した。

21日の「ヘラルド経済」は、1994年当時、金日成主席の逝去により朝鮮がすぐに崩壊するという主張があったが、朝鮮の政権は今も存続しており、ボズワーズ氏の指摘は、最近、金正恩第1委員長が40日以上も姿を現さなかったことで、「失脚説」などが台頭した最近の状況にも、当てはまる指摘だと紹介している。

一方、21日の労働新聞も朝米基本合意20年に際し、「核問題解決の道を塞いだ責任から逃れることはできない」と題する論説を掲載し、米国は基本合意の履行をないがしろにしたばかりか「のらりくらりと時間稼ぎし、最後にはそれまでも投げ捨てた」としながら、「その根底には、われわれの制度が徐々に崩壊するという、きな臭い打算があったからである」と痛烈に批判している。

 また最近、ガルーチ氏が「無条件対話」の必要性を強調していることを想起させながら、「米国はわれわれの核抑止力に言いがかりを付ける前に、今の事態をもたらした自らの過ちについて反省し今からでも正しい態度を取るべき」であり「それが核問題解決の突破口を開ける唯一の道だ」と指摘している。

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

●エルファテレビ  http://www.elufa-tv.net/


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