ソウルで行われた世界朝鮮学学術大会に参加している慶応大学の西野純也教授は27日、当地の聯合ニュースとのインタビューで、10月7~13日に日朝学術訪朝団の一員として、日本の学者たちとともに訪朝し平壌と元山を訪問、宋日昊大使とも面談したとしながら、最近の朝鮮国内の近況について語った。
彼は「北朝鮮では、経済発展、再建に力を注ぐべきとの認識が強いようだ。
ある程度成果を挙げているという自信があるように見受けられる。
宋大使がわれわれと面会した席で、『日本政府が10年間制裁を行ってきたが、我々は大丈夫だ。
米国の圧迫政策のために苦しいのは事実だが、それでもがんばっている』と言っていた」と述べた。
また、「平壌にはタクシーがとても多く、利用する人も多かった。
電力不足という話を聞いたが平壌ではそのような様子は多く見られなかった」と国内の様子を紹介した。
そして、「朝鮮の当局者たちは、経済の多角化について多く語った。
日本やロシア、ヨーロッパなどと国際的な多角化を推し進めているとの話も聞いた」と述べた。
さらに、元山に向かう道で立ち寄った馬息嶺スキー場で、案内員が「昨年、4万人がこのスキー場を利用したが、そのうち2,300人が外国人だった」と説明したことも語った。
拉致問題の再調査についての質問については「宋大使は『合意直後、日本国内で反対する声が多いということも知っている。
ただ、朝日政府間の合意であるので、日本政府の立場を見守っており、安倍総理や菅官房長官の言動を注視している』と語った」ことを明かしたという。
最後に、西野教授は最近の南朝鮮の対北政策について「すべてにおいて原則を貫こうとするので、それが今後南北関係の前進を妨げるだろう。
それを国内世論がどう考えるかという部分もある。
李明博政府との違いを望む人が多いと聞いている」と指摘したという。
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