27日から南朝鮮を訪問しているロシアのアレキサンドロ・ガルシカ極東発展相が、ロシアのタス通信のインタビューに答え、シベリア横断鉄道(TSR)と朝鮮半島縦断鉄道(TKR)の連結事業に150億ドル以上を投資する方針だと言明した。
ガルシカ発展相はインタビューで2001年にプーチン大統領がTSRとTKRの連結事業が有利な経済条件をつくり出すと述べたことにふれながら、当時からロシアの方針は変わっておらず、投資資金は国家予算を含め、国家福祉ファンドとロシア鉄道公社の資金を充てると語った。
2001年8月4日に金正日総書記とプーチン大統領が合意した朝ロモスクワ宣言で、すでに双方は「朝鮮半島の北と南、ロシア、ヨーロッパを連結する鉄道輸送路創設計画を実現するために必要なすべての努力を傾けることを公約」している。
ガルシカ発展相のソウル訪問中の28日、北南朝鮮とロシアの物流協力事業である「羅津-ハッサン・プロジェクト」の最初の試験事業として、シベリア産石炭を積んだ中国貨物船が羅津港を出発し29日に浦項港に到着した。
これと関連し20日、金正恩第1書記の特使としてロシアを訪問した朝鮮労働党の崔竜海書記と会談したラブロフ外相は、「この試験的輸送の結果をもとに、朝鮮縦断鉄道とシベリア横断鉄道を連結する事業を開始する」ことを明らかにした。
一方、南朝鮮の中央日報は29日の社説で朴槿惠政権は「羅津-ハッサン・プロジェクト」を対北制裁である「5.24措置」の例外としているが、南朝鮮企業の直接投資の道はふさがっているとし、「活力を失った韓国経済の活路は北方にある。
…しかし北朝鮮を迂回して北方に行くことはできない。
北朝鮮への進出を阻む障害物から取り除かなければならない。
例外的、選別的に5.24措置を避ける方法では限界がある。
…すでに時効といえる5.24措置と非核化優先主義にとらわれ、企業の北朝鮮進出を阻みながら『ユーラシア・イニシアチブ』を唱えるのは矛盾であり偽善だ」と痛烈に批判している。
「北朝鮮と極東ロシアで生じている『グレート・ゲーム』で韓国だけがカヤの外の状態」(同社説)におかれているが、朴槿惠政権がそれに気づき前政権が講じた「5.24措置」という呪縛を解く意思や能力を持ち合わせているかは定かではない。
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