コリアニュース №587(2015.3.9)
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李洙墉外相、米国による人権問題の政治利用と 国連人権理事会の2重基準を批判

 朝鮮の李洙墉外相が3月3日、ジュネーブの国連人権理事会第28回会議で行った演説の要旨を以下に紹介する。

 今、人権分野での国際協力を阻害している最大の要因は人権問題を政治目的に盗用する行為である。

 人権問題を政治目的に盗用する現象は、何よりも他国の社会・政治制度を倒すのに「人権問題」を利用するところに現れている。

冷戦時代、核戦争では勝者はあり得ないことを悟った米国が「平和的移行戦略」へと移り本格的に掲げ始めたのがまさに、「人権問題」であったというのは周知の事実である。自分らに従順ではない国の政権と体制を崩壊させるためにまず、国際社会の面前でその制度に泥を塗り、悪魔化しようとするのが今日も続いている米国の常套の手法である。

わが国が戦争抑止力を著しく高めるや、力の政策が通じないことを悟った米国は、昨年から反朝鮮「人権」騒動に本格的に執着し始めた。

 米国のこのような政策は、決して真新しいものではない。冷戦が始まった当初からアジアにおける朝鮮半島を社会主義と資本主義の対決の展示場と見なし、南朝鮮に天文学的額の資金を注ぎ込むと同時に、われわれに対しては孤立圧殺と封鎖・窒息、威嚇・恐喝と圧迫などあらゆる方法で体制「崩壊」を追求してきた対朝鮮敵視政策の延長にすぎない。

 人権分野での国際協力を阻害しているもう一つの重要な要因は、選択性と二重基準現象である。

 いま国連は、しばしば特定の大国が追従勢力を糾合し、従順ではない特定の国を選んで苦しめる場になっている。このような現象が許されつづけるなら、真の人権協力はなくなり、国連は政治詐欺が横行する場、対決の場に転落してしまうであろう。

 最近、米国で政府機関が系統的に行ってきたむごい拷問行為が明らかになり世界を震撼させたが、国連にはこの問題が上程されなかった。個別的な国の人権問題を国連に上程することを好んできた欧州諸国が沈黙を守ったからである。

 人権の保護と増進のための国際的な努力を阻害するこのような現象は、これ以上容認されてはならない。国連人権理事会は当然、米国の拷問蛮行を緊急議題に上程し取り扱うことで、人権問題での選択性と二重基準の慣行に終止符を打つべきである。

 われわれは現在、他国に対する国家主権の侵害行為、武力行使と行使威嚇、経済制裁と封鎖行為がその国の人民の人権に対する乱暴な蹂躙になると認める。

 国連人権理事会は、特定の選択された個別的な国の人権の実情よりも国際的に一般性を帯びるこれらの現象に留意し、その対策を講じることに力を入れるべきである。

 国連人権理事会がみずからの使命を十分に遂行するには、他の全ての国際機関のように公正さをみずからの活動の生命とすべきであろう。

 個別の公務員が尊厳ある国連加盟国である一主権国家に対して指導部が交代されるべきだなどという精神錯乱的な政治的妄言を並べ立てる現象をどう処理するかというのを見れば、国連人権理事会の公正如何を知ることができ、われわれはそれを綿密に見守るであろう。(了)

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

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