コリアニュース №601(2015.4.29)
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「北朝鮮の非核化」という短期目標は現実性がない 元米NSC大量破壊兵器政策調整官

ゲリー・セイモア元米NSC大量破壊兵器政策調整官が24日、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)のインタビューに応じ、「北朝鮮の非核化」という短期目標は現実性がないと強調した。

28日にVOAが報じた。

 セイモア氏は1994年の朝米ジュネーブ合意当時、米国側の交渉チームの一員で、第1期オバマ政権ではNSC非拡散担当局長と大量破壊兵器調整官を歴任し、現在はハーバード大学国際関係研究所の所長を務めている。

 同氏はジュネーブ合意(1994年)、6者会談9.19共同声明(2005年)、2.29合意(2012年)という米国の過去3回の試みは全て失敗したが、「他の選択肢がない米国としては遅かれ早かれもう一度、(合意を)試みると思う」と述べた。

同氏は“新たな合意の試み”について「20年前のジュネーブ合意も即時の非核化ではなく、凍結から始まる(非核化)”過程“を含めている。

」とし、「どんな種類の合意であれ、協商のためには凍結と抑制から出発しなければならい。

」と強調した。

 同氏は、“新たな合意の試み”の為にも6者会談が必要ではないのかという記者の質問に対し、「必ず6者である必要はない」としながら「(6者会談での)すべての合意は米朝間の交渉に基づいたものであり、会談に参加している残りの国々が承認するという形式だった。

6者会談のすべての外交は実質的に(米朝)2国間外交だったということだ。

したがって会談に5者が参加しようが、6者が参加しようが、20者が参加しようが結局は米朝の交渉によってすべてが左右される」と指摘し、朝米直接対話の必要性を主張した。

 また同氏は「オバマ政権が北朝鮮との交渉再開に関心がないという事実を北朝鮮もよくわかっている。

したがって米国の次期政権を待っている。

」という見解を述べ、「米国は朝鮮半島の非核化という最終目標を維持するだろう。

ただ、短期目標は核兵器の制限と抑制にならなければならない。

北朝鮮も非核化の原則に同意する準備ができているが、(米国側が)近い未来に満たされない特定の条件を要求していることが問題だ」と批判した。

 一方、最近、中国の専門家が朝鮮の核兵器保有量を20機と推定し、来年には2倍になると予測したことについて「中国の専門家たちの今回の推定値は当局の承認なしに公開するのは難しい内容だ。

したがって中国政府が北朝鮮の核兵器能力の成長に憂慮を表明したということは、この問題に対する接近法が変わったことを示している。

北朝鮮との外交努力を傾けていないオバマ政権に対する不満を表しながら、北の核計画の抑制のための対北接触をするよう(米国に)促しているのだと思う」と述べた。

 また、米国が朝鮮の「人権問題」を理由に追加制裁を科すべきかとの記者の質問に対して、「米国はすでに北朝鮮に対して非常に重い制裁を科している。

中国が国営企業や民間を通じて北朝鮮と継続して取引している限り、米国が追加でできることは多くはない。

追加的な制裁もやはり非効率的だ。

」と述べた。

(了)

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

●エルファテレビ  http://www.elufa-tv.net/


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