コリアニュース №602(2015.5.1)
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朝鮮外務省スポークスマン、新「日米防衛協力指針」を批判

 朝鮮外務省スポークスマンは、日米両政府が27日に「日米防衛協力指針」の改定に合意したことと関連し、30日、次のような談話を発表した。

(以下全文)  現在米国は急激に衰退・没落している自分たちの地位をどうにか挽回し、全世界的範囲で支配圏を維持しようという思いから、日本との軍事同盟強化に本格的にしがみついている。

その一環として、去る27日、米国と日本の外交及び国防当局者たちが、日米安保協議委員会(2プラス2)を開き、「日米防衛協力指針」を新しく改定し発表した。

新「指針」で米国は、日米安保協力の主要分野を「平時」から「有事」までの5つに設定し、弾道ミサイル迎撃と世界的規模で米軍に対する後方支援、海洋安全保障、捜索及び機雷除去、大量殺戮兵器伝播防止、船舶に対する強制検査、反テロ作戦など、日本「自衛隊」の役割強化を明示した。

こうして米国は、これまで日本周辺に限定した日本「自衛隊」の活動範囲を全世界に拡大し、自らが世界の任意の地域で行う任意の軍事作戦過程に、日本の軍事的支援を受けられるようにした。

 問題視せざるを得ないのは、米国がわれわれの「挑発的行動を抑制」するため、今回「日米防衛協力指針」を改定したと、われわれに言い掛かりをつけたことである。

冷戦期、日米間の軍事的共謀結託の産物である「日米防衛協力指針」は、冷戦終結後である1997年、朝鮮半島有事に対応するという内容で改定され、今回はわれわれの「核の脅威」を持ち出しさらに危険に改定された。

米国は、「日米防衛協力指針」改定がまるでわれわれの「脅威」のためであるかのように騒ぎ立てているが、米国の本音は違うところにある。

日本の「自衛隊」の役割を拡大して莫大な軍事費負担を減らし、自らの世界制覇の野望を実現するために日本を突撃隊として利用し、ユーラシア大陸で自らの競争相手を軍事的に包囲・抑制し支配的地位を維持しようというのが、米国の邪悪な本音である。

 過去、アジアと世界の人々に想像を絶する不幸と苦痛を与えた犯罪的過去を一切否認し、海外侵略という昔の夢を見続ける日本の右翼保守勢力の動きは、国際社会に深刻な不安をもたらしている。

しかし米国は、過去の歴史を美化・粉飾し否定する日本に対する世界の憂慮を無視し、自らの目的実現のため、日本の軍国主義の復活をさらに煽りたてている。

 日米軍事同盟の強化は必ず、東北アジアの情勢安定を破壊し、この地域で対立と摩擦を増大させ、紛争と軍備競争を引き起こす結果のみをもたらすであろう。

米国が世界支配のための戦略的中心をアジア太平洋地域に置き、日本を自らの覇権主義的野望の実現に深く引き込むことによって、今後東北アジアにおける対決の構図は一層深刻になり、朝鮮半島で有事の火花が散るだろうということは、火を見るより明らかである。

 われわれに対する敵視政策と軍事的威嚇行為に明け暮れる米国が、日本の「自衛隊」まで動員し侵略戦争の準備を急ぐことによって、われわれにもそれに対処できる戦争抑止力をさらに強化することが求められている。

 われわれは周辺の構図がどのように変わろうと、われわれを圧殺しようとする米国の敵視政策が続く限り、変わることなく先軍政治と並進路線を掲げ、核抑止力を中心とする自衛的国防力を強化していく(了)

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

●エルファテレビ  http://www.elufa-tv.net/


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