コリアニュース №605(2015.5.13)
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朝鮮総聯中央常任委員会・南昇祐副議長、公安警察による朝鮮総聯と在日同胞への政治弾圧と人権蹂躙を糾弾する談話を発表

 京都府警などの警察当局が「東方のマツタケ不正輸入」容疑とは何のかかわりもない朝鮮特産株式会社社長をはじめとする関係者3名を逮捕するという断じて許すことのできない極めて不当なファッショ的暴挙を行ったことと関連し、5月13日、朝鮮総聯中央常任委員会の南昇祐副議長が談話を発表した。

(以下全文) 京都府警と神奈川、山口、島根県警からなる合同捜査本部は、12日の早朝、「北朝鮮産マツタケを中国産と偽って輸入した」としてすでに逮捕、起訴された「株式会社・東方の社長らと共謀し、2010年9月に1800キロの北朝鮮産マツタケを不正輸入した」との容疑で朝鮮特産物販売株式会社の社長ら関係者3人を家宅捜索と同時に逮捕した。

これは、去る3月26日の朝鮮総聯議長、副議長への強制捜査と同様、公安警察による許しがたい無謀なファッショ的政治弾圧、重大な人権侵害である。

菅官房長官は12日午後の定例記者会見で「わが国は法治国家だ。

法と証拠に基づいて捜査を進めていくことは、ある意味自然なこと」などと詭弁を弄したが、今回の家宅捜査と逮捕は、法的根拠や証拠が何一つない、まったくのデッチ上げによる違法捜索、違法逮捕そのものであり、「法治国家」としての初歩的な秩序も無視した前代未聞の暴挙である。

そもそも、逮捕された3人は「東方」とは全く関係なく、2006年10月の不当な経済制裁以降、朝鮮産マツタケを0.01グラムも日本に輸入したことはない。

彼らが「東方の社長らと共謀し、北朝鮮産マツタケを不正輸入した」との容疑自体事実無根であり、公安警察による完全なねつ造である。

今回、公安警察の捜査員たちは、家族の目の前で3人を一方的に「犯罪人」扱いし無理矢理手錠をかけ、強引に連行するという非人間的で野蛮な行為も行った。

これはまさに、戦前「治安維持法」の下で強行された特高攻警察の「予備検挙」を彷彿とさせるファッショ的蛮行であり、朝鮮総聯と在日朝鮮人への深刻な民族差別と人権侵害、ひいては、朝鮮民主主義人民共和国と朝鮮人民に対する悪意に満ちた挑発行為である。

われわれは、このような違法で非道な逮捕劇に対し、こみ上げる憤りをもって断固糾弾し、強く抗議する。

今回、警察当局はマスコミを総動員して、朝鮮総聯議長の「次男逮捕」をクローズ・アップさせる世論操作に躍起になっているが、壮年期の人格ある人間についてわざと父である総聯議長と結びつけ大騒ぎすること自体、報道倫理に反し人権侵害に該当する反人倫的行為である。

これは、前回の総聯議長、副議長に対する不当な強制捜索と同様、議長にターゲットを絞り朝鮮総聯が「マツタケ不正輸入」に組織的に関わった「違法団体」、「犯罪組織」であるかのような印象を日本国民に与え、朝鮮総聯結成60周年を誇り高く祝おうと沸き立つ在日同胞を委縮させようとする卑劣な謀略行為である。

菅官房長官が「法と証拠に基づく捜査」を云々すればするほど、今回の違法な逮捕劇に日本政府、とくに首相官邸が関与していることを自らあらわにするものである。

周知のように、去る4月2日、朝鮮民主主義人民共和国政府は、朝鮮総聯の議長、副議長宅への強制捜索について日本政府が徹底的に真相を解明し謝罪するよう要求したうえで「このような状態では、朝•日政府間対話も出来なくなっている」と日本政府側に通知している。

日本政府がこの通知を無視するのみならず、あえて違法な捜査をさらに拡大させたことは、朝日間の懸案問題を解決しようとする意思がまったくないことを世界に示したことになる。

山谷えり子国家公安委員長は、今回の不当逮捕が朝鮮側の再調査に与える影響について「政府としては北朝鮮側が日朝合意に従い迅速に調査を行い、速やかにかつ正直に結果を日本に通報するように強く求める立場に変わりはない。

すべての拉致被害者の帰国に向けて、対話と圧力、行動対行動の原則を貫き、全力を尽くす」と述べたが、これは首相官邸の指示のもと外務省の井原アジア・大洋州局長が日本政府代表として署名したストックホルム合意を無視した、初歩的な外交儀礼も知らない愚かな発言である。

今回の不当逮捕は今後の朝日関係により深刻な影響を及ぼすことになろうが、その責任はすべて日本政府が負うべきである。

われわれは、日本政府が公安警察を使ってくり返す朝鮮総聯と在日同胞に対する卑劣な政治的弾圧と人権蹂躙行為を直ちに中止するよう強く要求する。

(了)

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

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