南朝鮮のインターネット・メディア『メディア・トゥデイ』が8月22日に掲載した上記の題名の記事が南朝鮮の政界をはじめ各界に波紋を広げている。
以下、全文を紹介する。
-住民たち「わが軍の射撃音だけが聞こえた」、北も砲撃事実否認、砲撃地点も公開されず疑惑増幅-
北朝鮮が砲撃事実を否認し、漣川(ヨンチョン)の住民たちも北の砲撃を認知していないと報道された。
政府は信頼できないという雰囲気の中、軍当局が砲弾の証拠を示し疑惑を解消しなければならないという声が上がっている。
北は20日、人民軍最高司令部緊急報道を通じて、「傀儡(かいらい)軍部好戦狂たちは、『わが軍が南側に砲弾一発を発射した』などというありもしない口実を並べたて、わが軍の民警哨所を目標に36発の砲弾を発射するという無分別な妄動に出た」と非難した。
韓国軍当局が20日午後3時53分頃、高射砲1発が京畿道漣川郡中面の野山に落下し、午後4時12分頃、直射砲数発が軍事境界線の南方700メートル付近に落ちたという発表を全面的に否認したのである。
北は特に「傀儡軍部自体がいまだに、わが軍砲兵の発射地点も、自分たち側にあるべき砲弾の落弾地点も確認できず、わが軍が発射したという砲弾が高射砲弾なのか、小銃弾なのか、ロケット弾なのかも区別できない状態でこのような軍事的挑発を躊躇いなく行った」と主張した。
砲弾を発射すらしていないにも関わらず、わが軍当局が対応射撃を行い、逆に挑発してきたというのである。
韓国聯合ニュースによると、漣川郡の境界線地域の住民たちは北の砲撃事実を認知できず、軍当局の対応射撃が行われる時点で退避した。
中面三串里の住民であるイ・ガンイル氏は、午後5時を過ぎた時刻に十数発の砲撃音を聞いたと言う。
漣川郡黄山里の住民であるチョン・ビョンホ氏も、聯合ニュースとの電話インタビューで「2発ずつ十数回爆発音が聞こえ、その間隔は短かった」と述べ、わが軍当局の射撃音を聞いたことを示唆した。
しかし、わが軍当局が発表した北の高射砲1発と直射火器数発が発射されたことを認知したという住民は探し出せない。
その理由はなんだろうか。
漣川郡全谷邑に住むキム・ドゥサム氏は、メディア・トゥデイの電話取材に「砲弾が落ちた地点とそれを撃ったという予想地点は直線距離で10kmだ。
高射砲と直射砲の音が聞こえるかどうかわからない」とし、「ここの住民は迫撃砲の音、戦車の音にも特に関心がない。
普段の作戦訓練のときに随時、たまに聞こえるからだ。
中面三串里(砲弾地点)は30~40世帯が住んでおり、谷にあるから、北から発射した砲弾の音は聞こえなかったのだろう。
軍の対応射撃は退避させた後だったから認知できたのではないか」と述べた。
中面三串里は昨年も対北ビラに反発し北が撃った高射銃弾が落ちた場所だが、その当時も大きな動揺はなかったという。
軍当局が明快に砲弾の痕跡を見せることのできる証拠と軌跡記録を提出すれば、北の主張からくる疑惑を払拭できるという指摘もある。
しかし、軍当局は関連情報の公開に慎重な姿勢を見せている。
地雷が爆発する様子を公開したこのとは対照的である。
メディアの砲弾地点への接近を統制しているので関連した写真や映像も報道されていない。
国防部広報や関係者はメディア・トゥデイの電話に「作戦中」だとして写真などを公開していないと述べた。
関係者は「延坪島砲撃時は住民たちが撮った写真が公開されたし、そこには住民たちが住んでいた。
今回は野山」だとして「明日はまた北朝鮮から48時間という話が出たから、それに対処している状況で、現場を統制している」と述べた。
関係者は「作戦中だということをメディア・トゥデイに公開したということは、戦時体制ではないようだ。
今のところ公開計画はない」として、「われわれも合同参謀本部が全てを管理しており、知らせてもらわなければならない状況」だと強調した。
関係者は「地雷爆発・北朝鮮軍侵入映像公開」問題について、「侵入する姿は捉えられなかった。
それが映っていたなら北朝鮮軍を捕まえられたはずだ。
映像装置は動いている。
ブラックボックスのように一方だけに向いている装置ではない」と述べた。
(了)
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