米国が国連安保理に朝鮮の「人権問題」に関する案件を再上程したことと関連し、朝鮮外務省スポークスマンは12日、談話を発表した。
(以下全文)
「人権問題」に言い掛かりをつけ、わが国を圧殺しようとする米国の策動がますます悪辣になっている。
去る10日、米国は12月に就いた国連安全保障理事会議長国の職を利用し、昨年末に初めて理事会に強引に上程した「朝鮮民主主義人民共和国の状況」という案件を再上程し議論する場を設けた。
われわれは米国が多くの国々の反対にも関わらず、われわれの「人権問題」に言い掛かりをつける安全保障理事会の会議をまたも招集したことに対し、断固糾弾し全面的に排撃する。
周知の通り、安全保障理事会は国連憲章に従って国際平和、安全保障と直結した紛争問題の平和的解決や侵略行為に対する対策を討議する国連の一機関であり、国連において国際的な人権保障増進と関連した問題は人権理事会が専門的に取り扱っているため、安全保障理事会の権能には属さない。
米国は昨年、国連総会第69回会議で「朝鮮民主主義人民共和国における人権状況」という「決議」が強行採択された後、われわれの「人権問題」を安全保障理事会の議題に無理やり組み込むために、「人権」という表現を抜いた曖昧な題目をつけた案件を上程させ、一部の理事会メンバー国をけしかけ初めて会議の招集を強行した。
その米国が今回は議長国という独り舞台で安全保障理事会の12月の公式日程にもなかった会議を奇襲的に招集し、神聖な国連会議の場に逃走犯である「脱北者」たちを連れ出し紹介する醜態までさらしながら、われわれに対する国際的圧迫の雰囲気を鼓吹させようとした。
しかし会議では、昨年よりも多くの国々が安全保障理事会の権能を逸脱した会議招集と問題の討議自体を明白な論拠をもって反対したことによって、米国の無茶な行いと卑劣な下心が露わになり、米国の反共和国「人権」騒動が執拗な対朝鮮敵視政策の産物であるという客観的認識がさらに確かなものとなった。
国連安全保障理事会で強行された強盗さながらの行為を目の当たりにして、われわれは米国をはじめとする敵対勢力が、われわれの素晴らしい人権の実情と人民愛の政治が具現化された現実から目を逸らし否定し、わが国のイメージを傷つけ、手段や方法を選ばずにわれわれの思想と制度を崩壊させようとしているということを再確認した。
今回の会議と関連し国際社会は、安全保障理事会が米国の強権に押され人権問題にまで踏み込み、個別の国を害する場に転落し、その結果国連人権理事会の権能が破壊され弱まる重大な事態がおきているとの大きな憂慮と警戒心を示している。
中東やアフリカ、フランスなどで相次いで起きているテロ事件とヨーロッパでの避難民問題などで、全世界が恐怖に覆われ、イラクやアフガニスタンで戦争が続き、いたる所で様々な紛争が絶えず起きているのが、今日の世界の現実である。
国連安全保障理事会は、権能外のことにまで口出ししながら時間を浪費するのではなく、世界の平和と安全を脅かす焦眉の問題を処理することに集中しなければならず、特にわれわれがすでに提訴した米国の重大な拷問行為と侵略的な米国と南朝鮮の合同軍事演習などの問題をまず取り扱うべきである。
あえてわれわれの問題を議論するというのならば、朝鮮半島から戦争の危険を除去し、平和的環境を醸成するためにわれわれが今年国連総会第70回会議を契機に再び提起した平和協定締結問題を討議するほうが良い。
われわれは国連の舞台で益々横暴になっていく米国をはじめとする敵対勢力の反共和国「人権」策動に、高い警戒心をもって最後まで強硬に対応するだろう。
(了)
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