コリアニュース №655(2016.4.21)
印刷
朴槿恵政権の延命術に利用された「中国レストラン従業員の脱北事件」 国家情報院が支配人を買収、集団的誘拐拉致事件

米国とその追随勢力の対朝鮮圧殺策動が極度に達し、南朝鮮で4月13日に総選挙が実施される直前の去る4月8日、朴槿恵政権は「中国の北朝鮮レストラン従業員の集団脱北」を突如発表した。

しかし、この事件が、国家情報院が企てた誘拐拉致事件であることが明るみになった。

この謀略事件の全貌と真相を暴いた20日の朝鮮新報の記事を紹介する。

【偽造した南朝鮮パスポートを提供】南朝鮮当局は中国浙江省寧波市でレストランを経営していた支配人、従業員13名がソウルに来たことについて「制裁によって困難な状況に陥ったのが脱北の理由」としながら、「彼らの意思を尊重し人道的な次元で彼らを受け入れることになった」と騒ぎ立てた。

しかし、時間の経過とともに国家情報院が犯した計画的な誘拐拉致行為の真相が明らかになっている。

 確認したところによると、国情院の指示にそって従業員のレストラン離脱を主導した人物は支配人であるホ・ガインイルだという。

ホ・ガンイルがレストランの共同経営者である中国人の社長に借金をしていることを把握した国情院は、思想的に変質したホ・ガンイルの弱点を握り、彼を買収し集団的謀略事件をでっち上げたという。

 国情院はホ・ガンイルに、南に行けば借金を返してあげるし、ソウルに行けば贅沢な暮らしができると懐柔し、一人で来るであれば歓迎できないので授業員数名を引き連れてソウルに逃亡するようにけしかたという。

 ホ・ガンイルは従業員を連れて南に逃亡するために4月5日、宿舎を移すと言う美名の下、従業員に荷造りをさせた後、欺瞞と脅し、恐喝の方法で12名の従業員を上海に連れて行った。

そして、上海では国情院の要員から航空チケットと偽造した南朝鮮パスポートを受け取り、6日にはマレーシアに渡って国情院の案内の下、7日に仁川空港に到着した。

【「企画脱北」の証拠】今、南朝鮮でも13名が「集団脱北」したという当局の発表を信じておらず、「国情院による集団脱北」を指摘する声が出ている。

 新聞「ハンギョレ」(インターネット4月12日付、別紙参照)は、現取材に基づき「集団脱北」を主導した人物として知られた支配人が、レストランの共同経営者である中国の社長のお金(中国通貨で15万元:日本円で約2,500万円)を盗んで逃げたと報道した。

支配人はレストランで共に働いた妻も中国に残した。

 中国現地でも妻を含めた7名が残ったという。

「ハンギョレ」は従業員たちのパスポートを支配人が管理してきたし、7名が買い物に行くために外出した間に13名の姿が消えた事実に言及しながら、レストランからの離脱において「支配人が核心的な役目を果たし、この過程で国情院がある種の役割を果たしたはず」という見解を示した。

 13名がマレーシアから南朝鮮に入る実務手続きが1日で成されたことについても、当局の工作活動に精通した関係者の中では「通常は数か月かかる」とし「国情院が準備しなければ不可能だ」という指摘が出ている。

 南朝鮮の統一部は13名が仁川空港に到着した翌日の8日、「集団脱北」と関連した緊急記者会見を開いた。

これと関連し南朝鮮の一部マスコミは「脱北者たちは国情院の監視下に一定期間は尋問を受け、その身分を検証される」としながら、当局がそのような慣例を破り、1日で「脱北」の事実を公開したのは、総選挙と関連があると指摘した。

これに関し、「ハンギョレ」(インターネット版11日付)は、統一部の「集団脱北」会見は、青瓦台の支持にそって慌てて用意されたものだと暴露した。

【前代未聞の国際テロ行為】国情院は自らの謀略行為がばれてしまうことを恐れ、従業員たちを南朝鮮に引き連れた後、一切マスコミとの接触を遮断している。

 確認したところによると授業員たちは南朝鮮に到着してようやく、国情院とホ・ガンイルに騙されたことを悟ったという。

ホ・ガンイルは新たなレストランの展開と関連した位置の確認、移動サービスの準備、党から付与された特殊任務という言葉で従業員たちを欺瞞し、南朝鮮に引き連れたという。

 朝鮮は国家情報院がでっち上げた、集団的な誘拐拉致行為を「前代未聞の国家テロ行為」と断定している。

 祖国平和統一委員会スポークスマンの声明(17日)によると、南朝鮮に誘拐拉致された従業員たちは「今、極悪なテロ分子を激しい怒りで峻烈に断罪しながら、懐かしい祖国の懐、愛する両親の懐に帰るために決然とした闘いをしている」という。

被害者家族と人民たちも、南朝鮮当局の野蛮的な拉致行為に怒りを禁じえず、「愛する肉親を速やかに返すことを強く要求している」(朝鮮赤十字会中央委員会スポークスマン)という。

 朝鮮は今回のテロ行為を絶対に容認せず、最後まで徹底して清算するという立場を明らかにしている。

具体的には▽集団拉致犯罪に対する南朝鮮当局の謝罪、▽従業員たちの即時送還、▽拉致に加担した者とその黒幕に対する処罰などを要求し、朴槿恵政権がこのような正当な要求を拒み、共和国の公民を引き続き抑留する場合、「想像できない惨憺な代償を払うことになる」(祖平統スポークスマン)と警告している。

(了)

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

●エルファテレビ  http://www.elufa-tv.net/


是非アクセスしてご覧下さい