コリアニュース №735(2018.5.16)
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金桂寛朝鮮外務省第1次官の談話 「一方的な核放棄を強要するなら朝米首脳会談を再考せざるを得ない」

朝鮮外務省の金桂寛第1次官は16日、トランプ政権に対して以下のような談話を発表した。

(全文) 朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長金正恩同志は朝米関係の不幸な歴史を終わらせるための戦略的決断を下し、わが国を訪問したポンペイオ米国務長官を二度も接見され、朝鮮半島と世界の平和と安定に向けた実に重大かつ大胆な措置を講じられた。

 国務委員会委員長同志の崇高な志に応え、トランプ大統領が歴史的に根深い敵対関係を清算し、朝米関係を改善しようとする立場を表明したことを私は肯定的に評価し、今後の朝米首脳会談が朝鮮半島情勢の緩和を促進し立派な未来を建設するための大きな一歩になるだろうと期待していた。

 ところが、朝米首脳会談を控える今、米国で対話の相手をひどく刺激する勝手な妄言が出て回っていることは、極めて不穏当なことであり失望を禁じ得ない。

 ホワイトハウスの安全保障担当補佐官ボルトンをはじめとするホワイトハウスと国務省の高官たちは「先・核放棄、後・補償」方式を喧伝しながら、「リビア式核放棄」だの、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」だの、「核、ミサイル、生化学兵器の完全放棄」だのという主張を躊躇なく吐き出している。

 これは対話を通じて問題を解決しようとするのではなく、本質的には、大国らに国を丸ごと委ね崩壊したリビアやイラクの運命を、尊厳高いわが国家に強要しようとする非常に不純な試みの表れである。

 私は米国のこのような振舞いに憤激を禁じえず、果たして米国は本当に健全な対話と交渉を通じて朝米関係改善を望んでいるのかと疑念を持つようになった。

 世界は、わが国が悲惨な末路をたどったリビアやイラクではないということをあまりにもよく知っている。

核開発の初期段階にあったリビアを、核保有国であるわが国家と比べること自体が暗愚きわまりない。

 われわれはすでに、ボルトンが何者かを明らかにしており、今も彼に対する拒否感を隠さない。

 トランプ政権が、過去に朝米対話が開かれる度に、ボルトンのような者たちによって紆余曲折を経なければならなかった歴史を忘れ、「リビア式核放棄」などと言うまやかしの「憂国志士」たちの話に従うなら、今後、朝米首脳会談をはじめとする全般的な朝米関係の展望がどうなっていくのかは、火を見るように明らかである。

 われわれはすでに、朝鮮半島非核化の意向を表明し、そのためには、米国の対朝鮮敵視政策と核の威嚇と恐喝を終わらせることが先決条件であるということを数回にわたって明らかにした。

 しかし今の米国は、われわれの寛容さと大胆な措置を弱気の表われと誤って判断しながら、それが自分たちの制裁と圧迫攻勢の結果であるかのごとく流布している。

 米国は、われわれが核を放棄すれば、経済的補償と恩恵を与えると騒いでいるが、われわれはかつて一度も米国に期待して経済建設をおこなったことなどなく、今後もそのような取引を絶対にしないだろう。

 前政権とは異なる道を歩むと主張しているトランプ政権が、われわれの核がまだ開発段階にある時に以前の政権が使い古した対朝鮮政策案をうのみにしようとしていることは、幼稚な喜劇に他ならない。

 もしトランプ大統領が前任者たちの前轍を踏むならば、これまでの大統領らが成し遂げることのできなかった最上の成果を出そうという初心とは正反対に、歴代大統領たちよりも無残に失敗した大統領となるであろう。

 トランプ政権が朝米関係改善のための真摯な気持ちをもって朝米首脳会談に出てくる場合、われわれの当然の呼応を受けることになろうが、われわれを隅に追い込んで一方的な核放棄を強要しようとするなら、われわれはそうした対話にもはや興味を持たないだろうし、今後の朝米首脳会談に応じるか再考せざるを得なくなるだろう。

(了)

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

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