コリアニュース №736(2018.5.18)
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李善権・祖国平和統一委員会委員長 「北南関係の方向は全面的に南朝鮮当局の行動いかんにかかっている」

祖国平和統一委員会(祖平統)の李善権委員長は、南朝鮮当局が予定されていた北南高位級会談が延期された責任を北側に転嫁しようとしているとして17日、朝鮮中央通信社記者の質問に次のように答えた。

最近、南朝鮮当局が一方では米国と結託して朝鮮の主要な戦略的対象に対する精密打撃と制空権掌握を狙った極めて冒険的な「2018マックス・サンダー」連合空中戦闘訓練を強行し、他方では人間のくずを「国会」の場に立たせて朝鮮の最高尊厳と体制を罵り、歴史的な板門店宣言に対する誹謗中傷劇を公然と演じた。

苦労してつくった北南関係改善の流れに全面的に逆行する無謀な行為が、限度を超えて繰り広げられていることと関連し、われわれはこれを厳重視しながら南朝鮮当局が責任ある措置を取るまで、北南高位級会談を無期限延期する断固とした措置を取り、これについて16日に南朝鮮当局に通告し朝鮮中央通信社の報道で公開した。

事態がここまでくれば、遅ればせながらでも目を覚ますのが知性ある賢人の振る舞いであろう。

しかし、南朝鮮当局はわれわれが取った措置の意味を深くかみしめ、必要な収拾対策を講じるどころか、現在までとんでもなくも「遺憾」や「催促」などを云々しながら常識以下に振る舞っている。

 われわれの通知文を受け取った時から、弁明と口実に満ちた多様な名目の通知文を頻繁に送るかと思えば、統一部スポークスマンの声明を発表し、国防部長官が「韓」米連合軍司令官との「緊急会談」を開くなど、奔走しはじめた。

これらすべては、日程に上った北南会談が行き詰まった責任を身に染みて感じ、その収拾を目的とした動きではなかった。

 南朝鮮当局は、われわれに対し北南高位級会談を「一方的に延期」したのは「板門店宣言の根本精神と趣旨に合わない」としながら「遺憾」を表明した。

いったい、誰が誰に「遺憾」を表わし、腹いせするというのだろうか。

 板門店宣言が採択され僅か15日余りの間、われわれは朝鮮半島で戦争の危険を終息させ平和と繁栄、和解の新たな時代を開くため、やれる程度どころか、誰も想像すらできなかった大きな勇断を果敢な実践行動で示した。

これについては南朝鮮当局も否定できないだろう。

現在、朝鮮半島と地域で起こっている肯定的な事態の発展はすべて、板門店宣言を履行する為のわれわれの積極的で主導的な立場と意志の産物である。

 しかし、南朝鮮当局は完全な「北の核廃棄」が実現するまで、最大限の圧力と制裁を科すべきという米国と一緒になり、歴代最大規模の連合空中戦闘訓練を行い、これが「北に対する変わらぬ圧迫攻勢の一環」だとはばかることなく公言した。

もし南朝鮮当局が、われわれをいつ降り注ぐかも分からない火の嵐の下でのんきに座って雑談でも交わしながら、自らの身辺を脅かす相手も見分けることができずにやみくもに喜ぶ、そのような実態とみなしていたのなら、それよりも愚かな誤判と妄想は無いだろう。

 さらに南朝鮮当局は、家を無くした野良犬のように汚れた余命を維持するため、ほっつき歩いている人間のくずどもを、他でもない「国会」に呼び、われわれの最高尊厳と体制を悪辣に非難冒涜させる、到底許せない天人共怒の愚かなことも行った。

 これらすべての動きは、青瓦台(大統領府)や統一部、国情院と国防部などの南朝鮮当局の直接的な関与と黙認、庇護の下に操作され実行されたのではないとでも言うのだろうか。

 南朝鮮当局は自らが「板門店宣言を忠実に履行する確固たる意志」を持っていると平然と述べる醜態もいとわなかった。

歴史的な板門店宣言の、どの条項、どの文言に相手を狙った侵略戦争演習を繰り広げ、人間のくずどもを立てて誹謗中傷の度を一層高めるようと記されているというのだろうか。

白を黒というのにも限度があり、愚かなことを言うのにも程がある。

ロバが冠帽をかぶったからといって領主にはなれないように、人も自分の口を勝手に動かしたからといって、犯した行為が隠蔽され、それに伴う厳罰が消えることはない。

重要な事は間違った過去と徹底的に決別し、国と民族に有益で良い事をするという真心をもって新たに出発することである。

付け加えれば、「遺憾」は、せっかく生まれた和解の流れに全面的に逆行した南朝鮮当局に、全同胞の沸き上がる怒りを込めてわれわれが表明すべきことである。

南朝鮮当局が騒いでいる「催促」も然りである。

もし南朝鮮当局に、民族的和解と平和繁栄を渇望する時代の要求と同胞の志向に応える一点の自覚でもあるのなら、今起こっている事態にみずからの責任を重く痛感し深く熟考すべきであり、自らの誤った振舞いから正すべきであろう。

しかし、図々しさこの上ない南朝鮮当局は、少しの反省や罪意識はおろか、いわゆる「会談開催催促」の声だけを上げている。

より見苦しいのは「催促」の理由である。

会談が流れた原因である侵略戦争演習の妥当性の可否を論じるためにも会談を開けなければならないという南朝鮮当局のおかしな論理は、朝鮮半島の平和と和解の流れをさえぎる障害物を除去しようとするのではなく、どうにかして北侵戦争演習を合理化し、疎ましい誹謗中傷を続けようとする鉄面皮と破廉恥の極致に他ならない。

時代錯誤的な南朝鮮当局のこれらすべての対決騒動には、過去に敵対と分裂を本業としていた保守「政権」の属性とあまりにも一脈相通ずるものがある。

この地に広がった現実に対する初歩的な感覚も、向き合う相手に対する具体的なイメージも、大勢の流れに対する現実的な判別力もない無知無能な集団が、他ならぬ現南朝鮮当局であるということを、この機会にはっきりと判断するようになった。

信義と信頼が欠如する無礼非道な人々と膝を交えては、いつになっても国と民族の前途を開く新しい歴史を綴ることができないということは、過去の歴史が示した教訓である。

われわれの立場は明白であり不変である。

北南高位級会談を中止させた重大な事態が解決されない限り、南朝鮮の現「政権」と再び対座することは容易に実現しないだろう。

南朝鮮当局は、鉄面皮な醜態で一貫した弁明と口実を並べ立て、とんでもない責任転嫁に執着しながら時間を空しく費やすのではなく、現在の状況が挽回できない最悪の事態へと拡大していることについて頭を抱えて苦心する必要がある。

今後、北南関係の方向は全面的に南朝鮮当局の行動如何にかかっている。

雲が晴れれば、空は澄んで青くなるものである。

(了)

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

●エルファテレビ  http://www.elufa-tv.net/


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