トランプ米大統領による朝米首脳会談の突然の中止表明に関して25日、朝鮮外務省の金桂寛(キム・ゲグァン)第1次官が委任を受け次のような談話を発表した。
(以下全文)
現在、朝米間では、世界が非常な関心をもって注視する歴史的な首脳会談が日程に上り、その準備作業も最終段階で進んでいる。
数十年にわたる敵対と不信の関係を清算し、朝米関係改善の新しい里程標を打ち立てようとするわれわれの真剣な模索と積極的な努力は、内外の一様な共感と支持を受けている。
そんな中、24日、アメリカ合衆国のトランプ大統領が突然、すでに既定事実化していた朝米首脳再会をキャンセルするという公式的立場を発表した。
トランプ大統領はその理由ついて、朝鮮外務省の崔善姫(チェ・ソンヒ)次官の談話内容に「大きな怒りと露骨な敵意」が込められているためだとしながら、以前から計画されていた貴重な出会いを持つのは現時点では適切でないと明らかした。
私は朝米首脳会談に対するトランプ大統領の立場表明が、朝鮮半島はもちろん世界の平和と安定を望む人類の念願に合致しない決定であると断定したい。
トランプ大統領が取り上げた「大きな怒りと露骨な敵意」というのは、事実上、朝米首脳会談を控え、一方的な核放棄を迫ってきた米国側の過度な言動がもたらした反発に過ぎない。
今回の不祥事は、歴史的根が深い朝米敵対関係の現在の実態がどれほど深刻であり、関係改善に向けた首脳会談がどれほど切実に必要かを如実に示している。
歴史的な朝米首脳会談について言うならば、われわれはトランプ大統領が、過去のどの大統領も下せなかった勇断を下し、首脳会談という重大な出来事をもたらすために努力したことに対し、依然、内心で高く評価してきた。
しかし突然一方的に会談の取り消しを発表したことは、われわれとしては意外のことであり、大変遺憾に思わざるを得ない。
首脳会談に対する意志が足りないのか、さもなければ自信がなかったのか、その理由については測り知れないが、われわれは歴史的な朝米首脳の出会いと会談そのものが、対話を通じた問題解決の第一歩として地域と世界の平和と安全、両国の間の関係改善にとって意味ある出発点になるという期待を持って誠意ある努力を尽くしてきた。
また、「トランプ方式」というものが双方の憂慮をすべて一緒に解消し、われわれの要求条件にも合致し問題解決の実質的に作用する賢明な案になることを密かに期待もしていた。
わが国務委員長もトランプ大統領と会えば良いスタートができるだろうとしながら、そのための準備にあらゆる努力を傾けてこられた。
にもかかわらず、米国側の一方的な会談取り消し表明は、われわれがいままで傾けてきた努力とわれわれが新たに選択していくこの道が果たして正しいのかということを改めて考えるようにしている。
しかし、朝鮮半島と人類の平和と安定のためにあらゆることを果たそうというわれわれの目標と意志に変わりはなく、われわれは常に大胆で開かれた心で米国側に時間と機会を与える用意がある。
何事もたった一度だけで満足な結果を得ることはできないが、一つずつ段階別に解決していくなら、今より関係が良くなることがあっても、さらに悪化しないというぐらいは、米国も深く熟考すべきであろう。
われわれは、いつでも、どんな形であれ、対座して問題を解決していく用意があることを米国側に改めて明らかにする。
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