コリアニュース №765(2019.3.1)
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李容浩外相が第2回朝米首脳会談の結果ついて会見

朝鮮の李容浩外相と崔善姫外務次官が1日、ハノイ市内のメリアホテルで記者会見を開き、第2回朝米首脳会談についての立場を表明した。

以下、李容浩外相のコメント全文と記者の質問に対する崔善姫外務次官の発言要旨。

■李容浩外相  今回の第2回朝米首脳会談の結果に対するわれわれの立場をお知らせします。

 朝米両首脳は今回、立派な忍耐力と自制力を持って2日間に渡り真摯な会談を行った。

われわれは昨年6月のシンガポール会談の中で、朝米首脳会談の共同認識としてなされた段階的解決原則に則って今回の会談で現実的な提案を提起しました。

 米国が国連制裁の一部、すなわち民需経済と人民生活に支障をきたす項目の制裁を解除すれば、われわれは寧辺核施設のプルトニウムとウラニウムを含めた全ての核物質の生産施設を米国専門家の立会のもとに、両国技術者たちの共同作業で永久かつ完全に廃棄するということです。

 われわれが要求することは、全面的な制裁解除ではなく一部解除、具体的には国連制裁決議11件の中で、2016年から2017年まで採択された5件、その内、民需経済と人民生活に支障を与える項目だけを先に解除するということです。

これは、朝米両国間の現在の信頼水準を見ると、現段階でわれわれが踏み出すことができる最も大きな歩幅の非核化措置です。

 われわれが非核化措置を取っていく中でより重要な問題は安全担保の問題ですが、米国がまだ軍事分野の措置を取ることが負担になるだろうと見て、部分的な制裁を相応措置として提案したのです。

 今回の会談でわれわれは米国の憂慮を軽減するために、核実験と長距離ロケット実験を永久に中止するという確約も文書形態で与える用意があることを明らかにしました。

 信頼醸成段階を経れば、今後、非核化過程は一層早く前進させることができるでしょう。

しかし会談過程で米国側は、寧辺地区の核施設廃棄措置以外に、もう一つプラスしなければならないと最後まで主張しました。

それにより、米国がわれわれの提案を受け入れる準備ができていないということが明確になりました。

 現段階でわれわれが提案したことよりも、より良い合意がなされるかを、この場で述べるは難しいことです。

今回のチャンスが再び訪れるかも難しいかも知れません。

 完全な非核化への道のりには、必ずこのような初段階の工程が不可避であり、われわれが出した最大限の法案が実現する過程を必ず経なければなりません。

 われわれの原則的立場には僅かな変りもなく、今後、米国側が交渉を再び提起してくる場合でも、われわれの方案に変わりはありません。

以上です。

■崔善姫外務次官の発言要旨  寧辺地区と関連し、今回われわれが出した案は外相が明らかにしたように、寧辺の核団地全体、その中に入っている全てのプルトニウム施設、全てのウラニューム施設を含めた、全ての核施設を丸ごと米国専門家の立会のもとに永久的に廃棄するという、歴史的に提案しなかった提案を今回行いました。

その代わりにわれわれが米国側に要求したことは、外相が明らかにしたように制裁決議の中で、民生用と民需用の5件を解除するよう要求しました。

 このような提案を米国側が今回受け入れなかったことは千載一遇のチャンスを逃したようなものだと私は思います。

 民生に関してはわれわれが提案した5件の制裁決議の中で、軍需用については、まだ要求していません。

民生と関連し、人民生活、経済発展と関連した部分に対する制裁解除を要求しただけです。

2016年から取った対朝鮮決議は2270号、2375号など、5件ですが、その中でも100%ではなく、民生と関連した部分だけ制裁を解除するよう要求しました。

 われわれが提案したのは、寧辺核団地全体に対する永久的廃棄です。

ここで(廃棄を)実行するときは米国専門家も立ち会えるようになっています。

 今回私が首脳会談を横で見ながら、わが国務委員長が米国による米国式計算方法に対して少し理解に苦しんでいるのではないか、よく理解できないのではないかという印象を受けました。

 このように過去にはありえなかった寧辺核団地を丸ごと廃棄するという提案を出したにも関わらず、このような民需用の制裁決議の部分的決議まで解除するのが難しいという米国側の反応を見ながら、わが国務委員会委員長が今後のこのような朝米交渉に対して、少し意欲を失くしたのではないかという、そのような印象を受けました。

 次の会談は決まっていません。

一つ強調したいことがあります。

米国の核科学者ジーグフリード・ヘッカー博士が核施設にある、濃縮ウラニューム工場を訪問したことがあります。

その工場までも、巨大な濃縮ウラニューム工場まで含めた全ての核施設をわれわれが今回永久かつ不可逆的に破棄するという提案を出しましたが、これに対する米国側の呼応はありませんでした。

 そして今後、このようなチャンスが再び米国側に訪れるのか、これについて私は確信をもって言えません。

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

●エルファテレビ  http://www.elufa-tv.net/


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