米国の「官製報道機関」ともいわれている自由アジア放送(4月4日)によると、ハノイにおける朝米首脳会談で合意が不成立に終わった後、ワシントンでは米朝間の膠着局面が長引く状況は決して好ましくないという雰囲気が醸し出されており、専門家の間では、現実的な目標を立て、段階的なアプローチを模索しながら、朝米交渉を再開すべきとの声が高まっているという。
トランプ大統領の外交の師といわれ、同政権で当初有力な国務長官候補にもなったリチャード・ハース米外交評議会・会長は「ハノイ会談後、米国と北朝鮮がすべきことは折衷案について協議することである」としながら、「長期的な非核化目標を立てながらも、段階的アプローチを模索することが理にかなっている」と主張しているという。
元米国務省・情報分析局・東北アジア室長のジョーン・メリル氏は「北朝鮮がすぐには核兵器を放棄しない現実を受け入れ、非核化に向かう中間段階を設けなければならない」としながら、「トランプ大統領は賢い人なので、現実的な代案を受け入れる可能性が十分ある」としたうえで、「恒久的な非核化の前に、核兵器の生産と実験の中断、拡散の遮断などの漸進的段階の関する交渉に臨むべき」と主張したという。
また、元駐韓米大使のキャサリン・スティーブンス氏は、シンガポール合意に立ち返り、「互いに核・ミサイル実験と米韓合同軍事演習の中止などを制度化するなど、実務交渉を通じた段階的アプローチ」を提案したという。
元国務省・非拡散軍縮担当特別補佐官のロバート・アインホーン・ブルッキングス研究所専任研究員は、「完全な非核化のための交渉を続けるという約束を前提に、北朝鮮の核物質生産の中断と核・長距離ミサイル実験の恒久的な中断など、中間的合意も考慮できる」としながら、「主要な核施設である寧辺を閉鎖する条件で、終戦宣言、連絡事務所開設、人道支援などの取引や開城工業団地の再開のような一部の例外的制裁解除措置も可能だ」と述べたという。
「金正恩委員長との関係は非常に良好である」と繰り返し述べているトランプ大統領が、これらの主張や提言をどう扱うかが注目される。
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