コリアニュース №791(2019.6.14)
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南の林東源元統一部長官「米国の決断が問題解決の鍵」

13日の聯合ニュースによると、南朝鮮の林東源(イム・ドンウォン)元統一部長官が、6.15北南共同宣言19周年に際し、延世大学の金大中図書館で開かれた学術会議で基調演説を行い、朝米が核・ミサイル実験の中断と米「韓」合同軍事演習の猶予という”双中断”の枠を維持しながら、非核化と平和体制の構築を段階的、同時的に進めるべきだと主張した。

 林東源氏は金大中政権で国家情報院長、統一部長官を歴任し大統領の特使として、故金正日総書記とも単独で接見するなど、歴史上初の北南首脳会談に深く関与した、朝鮮半島問題のエキスパートである。

林元長官は基調演説で、昨年に成された”双中断”を「大変重要な前進」であると評価し、「この双中断を維持し壊してはならない」と述べ、停滞中の朝米交渉について「ビッグディール云々はでたらめで実現できない話」と批判した。

 また、「一方では完全な非核化について、一方では関係正常化と平和体制構築について包括的に合意し、ロードマップを作るべきだ」としながら、「互いに与えるものは与え、もらうものは貰い、相互信頼を構築させながら、段階的に同時並行的に進めるべきだ」と述べ、シンガポールで朝米双方が合意した原則が正しいと強調した。

林元長官は、非核化と平和体制構築に10年以上の長い時間がかかるという展望もあるが、「来年の米大統領選挙を考慮する場合、今年中にお互いが後戻りできない、不可逆的な措置を取り、引き続き推し進めなければならない」と指摘した。

 特に、林元長官は「北朝鮮を圧迫・制裁し、屈服させようという接近方法は、北朝鮮の核開発を阻止できなかったし、このような接近方法は、既に核戦力を確保した北朝鮮を屈服させるよりも、かえって事態を悪化させる危険がある」と危惧しながら、「米国の決断が問題解決の鍵」だと強調した。

米国の元官僚、朝米交渉が近く再開される可能性が高いと展望

 12日、米国の元官僚が自由アジア放送(RFA)のインタビューに答え、朝米交渉が近く再開される可能性が高いと見通しを示した。

 元6カ国協議米国首席代表のジョセフ・デトラーニ氏は、「朝米交渉がすぐに再開されると信じている」、「両国の利害関係には共通点がある」としながら、「実務交渉で双方は、完全で検証可能な非核化の定義、朝米関係の正常化、平和条約、対北経済制裁の緩和及び解除に対する米国の意志などを議論すべきだ」と指摘した。

また、非核化措置と関連し「双方が北朝鮮のすべての核兵器と核施設、核物質を完全で検証可能に廃棄するという究極的な目的に合意し、この為のロードマップを定めた後で、延辺核施設の廃棄を第1段階として採択する方式は可能」だと付け加えた。

 一方、元ホワイトハウス大量殺傷兵器政策調整官のケリー・セイモア氏も、「トランプ大統領と金正恩委員長の双方が、第3回朝米首脳会談を開催し、非核化の進展に関する合意を望んでいる」ので、「今年中にスティーブン・ビーガン対北政策特別代表が出席する水準の実務交渉が再開される」と予想しながら、「実務交渉では、ハノイ首脳会談で浮き彫りになった、双方の立場の違いに対する妥協案を取り扱うだろう」と展望した。

(了)

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

●エルファテレビ  http://www.elufa-tv.net/


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