朝鮮李善権外相が12日シンガポール朝米首脳会談2周年に際し、談話を発表した。
(以下全文)
われわれの記憶からも索漠として忘れられていた「朝米首脳会談」という言葉が、数日前から話題になり国際社会の注目を集めている。
当事者であるわれわれがどう考えているかはまったく意識せず、稚拙にも仲裁意思を表明する者がいるかと思えば、米大統領選挙前に朝米首脳会談を実施する必要性について、米国の執権層が共感しているという声も聞かれる。
はなはだしくは、「10月の思いがけない贈り物」を受け取ることができるという期待感を表明しながら、われわれの非核化措置を条件付き制裁緩和と取引できるという空想家まで現れている。
私は、ほんのわずかな誤った判断や踏み外しも致命的で取り返しのつかない結果をもたらすことになる今のような敏感な時に、朝米関係の現実を無視した首脳会談説が世論化されていることに唖然とせざるを得ない。
すでに合意された首脳会談の合意も眼中になく、対朝鮮敵視政策に固執している米国との間で、果たして対話や取引が成立できるとでもいうのだろうか。
われわれと仕切り直しをする勇断を下す意志もない米国が、どのような浅知恵でわれわれに近づいてくるのかは、会ってみなくても明らかだ。
米国がいまだに交渉などでわれわれを揺さぶれると考えるのは誤算だ。
われわれはすでに、米国の長期的な脅威を管理するためのより具体的な戦略計算表を練っている。
何者かの国内政治日程などの外的変数によって、わが国の政策が調節変更されることはないだろう。
これ以上は言うまでもない。
朝米対話をみずからの政治的危機管理の道具としか見なさない米国とは、向かい合う必要はない。
(了)
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