コリアニュース №916(2023.1.30)
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NATO事務総長の訪問は「アジア版NATO」創設をあおりたてる

朝鮮中央通信によると国際政治研究学会の研究者キム・ドンミョン氏が29日、「NATO事務総長の訪問は『アジア版NATO』創設をあおり立てるものか」と題する次のような文を発表した。

(以下全文) NATO事務総長が、南朝鮮と日本に訪問するという。

ウクライナを代理戦争の場に作った軍事機構の高位責任者が、みずからの作戦領域でもない水陸万里も離れた東半球のアジア太平洋地域を訪問するという事実自体が、懸念をかき立てている。

以前からNATOが、欧州防衛に限られたみずからの勢力圏を、世界の戦略的中心に浮上したアジア太平洋地域にまで拡大しようと執拗に試みてきたことは、周知の事実である。

いわゆる「力による現状変更」に反対すると云々し、空母と戦闘機をはじめ、NATO加盟国の武装力を送り込み、様々な名目の二国間および多国間合同軍事演習を行う一方、「AUKUS(オーカス)」「QUAD(クアッド)」「ファイブアイズ(五つの目)」のような排他的安保同盟との協力を拡大強化する手法で、アジア太平洋地域に手を伸ばそうとしている。

特に、NATOはみずからの覇権野望の実現において、南朝鮮と日本を要と見なし、近年、両国との双務関係強化に前例なく拍車をかけている。

昨年4月と6月、NATO軍事委員会委員長が南朝鮮と日本をそれぞれ訪問し、より緊密なパートナーシップと軍事協力を謀議したのに続き、6月末にはスペインのマドリードで行われた首脳会議に、南朝鮮と日本を史上初めて参加させた事実がこれを立証している。

その一方で昨年5月、NATO傘下機関であるサイバー防衛協力センターに、南朝鮮を正式な加盟国として受け入れ、10月にはNATO議会連盟代表団を南朝鮮に派遣して双務協力強化を論議した。

南朝鮮が、NATO加盟国であるポーランドと重戦車、自走砲、戦闘機をはじめ数百億ドルの巨額の兵器販売契約を締結し、日本が英国、イタリアと次世代戦闘機の共同開発に合意したのは、南朝鮮と日本をみずからの影響力拡大のための将棋の駒として利用しようとするNATOの腹黒い下心が、どの域にまで至ったのかを示している。

昨年、新たな「戦略概念」にロシアを「最も重大で直接的な脅威」に、中国を「系統的な挑戦」と明記したNATOが今日、南朝鮮と日本に露骨に手を伸ばしている目的は、あまりにも明白である。

追随勢力と結託して、みずからの覇権的地位と秩序維持に努める「アジア版NATO」をつくり上げようとするのが、米国主導のNATOが狙う総体的志向点である。

憂慮すべきNATOの最近の動きを見て、地域内の国々が、「NATOは欧州で使っていた集団的対決の手口をアジア太平洋にも適用しようとしている」、「南朝鮮と日本はNATO勢力をアジア太平洋地域に引き入れてはならない」と警鐘を鳴らしているのは、至極当然なことである。

米国と西側の戦車提供の決定によって、ウクライナの事態が新たな峠を迎えている時に、南朝鮮と日本を訪問したNATO事務総長が、今回も両国に「中国脅威論」を絶えず吹き込み「アジア版NATO」創設の必要性を再三強調し、対ウクライナ軍事支援に消極的に臨んでいるのを厳しく戒め、圧力を加えるのは火を見るより明らかである。

NATOに送り込まれる南朝鮮と日本の武装装備がウクライナ戦場に現れるのは、時間の問題である。

地域に招かざる客を引き込んで、得をえようとする南朝鮮と日本は、安保不安を解消するどころか、むしろ極度の安保危機にいっそう近づいていることを認識すべきである。

戦争と対決の代名詞であるNATOが地域に軍靴を踏み入れるのは、一から十まで何もよいことではない。

NATO事務総長による南朝鮮と日本の訪問は、アジア太平洋地域に「新冷戦」の暗雲を引き寄せる対決訪問、戦争の前奏曲である。

地域諸国と国際社会は、アジア太平洋へのNATOの歩みが頻繁になっていることに対する警戒心を最大に高めるべきであろう。

(了)

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

●エルファテレビ  http://www.elufa-tv.net/


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