米国と南朝鮮は今年、各種合同軍事演習を強行し続ける計画をすでに公開している。
これに対する内外の懸念が高まっているのは、単に演習の幅と強度が高まっているだけでなく、それらが新しい北侵戦争シナリオを実践するための予備戦争の性格を濃く帯びているからだ。
より攻撃的に更新された「5015作戦計画」
2月22日、米「韓」の軍・外交当局者が参加し、朝鮮に対抗する核戦争デモンストレーションである「拡大抑止手段運用演習(DSC TTX)」がペンタゴンで行われたのに続き、3月13日から「フリーダムシールド(Freedom Shield)」合同軍事演習が強行される。
南朝鮮国防部はこの演習について「北の核とミサイルの特異的動向と修辞的脅威など、高強度の核脅威を反映した『実戦的シナリオ』を適用する方針」であり、米「韓」の野外機動訓練の規模と範囲を過去の「フォールイーグル(Foal Eagle)」訓練レベルに拡大すると明らかにしている。
その後も「ソリング・イーグル」、「ビジレント・ストーム」、「双鷹」などの大規模連合空中演習、米「韓」の特殊作戦訓練と連合科学化訓練をはじめとする各軍種・兵種連合訓練が計画されている。
今年、戦争演習が毎月欠かさず行われることになる。
これまで行われたすべての連合訓練は、北侵を目的とした事前演習の性格を帯びており、米国と南朝鮮はそのための作戦計画を作成し、絶えず更新してきた。
過去には「5026」という「外科手術式」作戦計画があり、「5027」正面攻撃作戦計画以外にも偶発的な事態を口実に戦争を挑発することを想定した「5028」、「5029」があった。
これらの一連の作戦計画は、「キー・リゾルブ(Key Resolve)」、「フォール・イーグル」(3~4月)、「ウルチ・フリーダム・ガーディアン(Ulchi-Freedom Guardian)」(8月)をはじめとする戦争演習に適用され、その現実性を検証しながら最終的に完成させたのが、8年前に発効した「作戦計画5015」である。
バイデン政権発足後、米国は「核とミサイルの高度化」など「北の脅威の変化」に対応することを名目に「作戦計画5015」に手をつけた。
2021年12月の米「韓」安全保障協議会(SCM)で新しい戦略企画指針(SPG)を承認し、これに基づいて先端兵器と新しい作戦概念を活用した計画を新たに策定することを明らかにした。
それから1年が経過したが、今年計画された米「韓」合同軍事演習は、従来の「作戦計画5015」をより積極的に更新した新しい北侵戦争シナリオの実践可能性を検証することを目的としている。
北侵企図を合理化するための世論工作
従来の「5015」にも「北の挑発兆候」を捉えさえすれば、敵の700カ所を先制攻撃するという内容が含まれていた。
軍事専門家らは、更新された戦争シナリオに基づき、「北がミサイルを発射する兆候」を捉えれば、先端兵器を含む「拡大抑止手段」を動員すると見ている。
その手段としては、米国がF-35ステルス戦闘機ですでに投下実験を行ったB61-12戦術核爆弾、つまり「実際に使える低威力の核兵器」などが挙げられている。
野外機動訓練の規模と範囲が拡大される「自由の盾」合同軍事演習
すべての侵略戦争は、交戦相手を攻撃するための戦略とその実現のための作戦計画を模擬的に完成させることから始まる。
1940年12月に完成したドイツ軍の「バルバロッサ作戦計画」が1941年6月のソ連侵攻につながり、1990年8月に完成したアメリカの「砂漠の嵐・作戦計画」もその翌年1月のイラク侵攻につながった。
戦争計画の樹立が実際の戦争開始に至るまで、軍隊は戦争シナリオを任意のタイミングで実戦に移すための方法を熟達完成させる過程を経る。
「5015」計画の更新に続き、今年強行され続ける米「韓」合同軍事演習はまさにその過程となっている。
今、アメリカと南朝鮮はみずからの軍事的な行動を「北のミサイル発射への対応」と偽っている。
大規模な戦争演習を連続的に行い、相手に絶えず軍事的脅威を与えている張本人たちが、「挑発」や「脅威」を口走り、世論をミスリードし、無謀な北侵演習を合理化しようと画策している現実は、非常に危険な兆候と言わざるを得ない。
歴史を振り返っても、戦争演習が実際に戦争につながった例は少なくない。
朝鮮半島に押し寄せる戦雲がかつてないほど濃くなっているという内外の懸念は決して根拠のないものではない。
朝鮮が自衛的国防力を強固にする理由がここにある。
(了)
|