コリアニュース №940(2023.5.15)
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「日本が追求するNATOとの軍事的共謀・結託の終着点はどこか」

朝鮮民主主義人民共和国外務省日本研究所の金雪花研究員は14日、朝鮮中央通信社を通して次のような文章を発表した。

(以下全文) 最近、日本とNATOの前例のない軍事的結託の動きが国際社会の大きな懸念と警戒心を呼び起こしている。

日本が自国内にアジアで初めてNATO連絡事務所を開設しようと画策しているのがその代表的実例である。

先日、日本外相の林は東京にNATO連絡事務所を開設するための討議を行っていることを公式に明らかにしながら、ロシアのウクライナ「侵攻」は東欧だけでなくアジア太平洋地域情勢にも直接的な影響を及ぼす、現況は日本をして地域の安保について再考することを求めている、したがって東アジアでNATOとの協力はより一層重要な問題に提起される、と力説した。

内閣官房長官の松野もNATOは信頼できる必然のパートナーである、「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けて協力を一層強化していくと述べた。

久しい前からNATOとの軍事的共謀・結託を模索してきた日本が、ウクライナ事態を契機により積極的にそれを推進しているということは、周知の事実である。

昨年6月、スペインのマドリードで行われたNATO首脳会議に初めて参加した日本首相の岸田は、いわゆる「歴史的意義」について云々し、NATOとの関係を新しい水準へ引き上げると豪語した。

そんな中、今年の1月、NATO事務総長が日本を訪問して政府高官らと会談を行い、軍事的結託強化を骨子とするいわゆる「日本・NATO共同声明」なるものを発表した。

ここで日本は、NATOに独立的な政府代表部を新設し、北大西洋理事会会議をはじめNATOが主管する会議に定期的に参加し、NATOとの安保協力範囲を宇宙およびサイバー空間などに拡大しようとする企図を露わにした。

日本は今、NATOとの安保協力などを規定した「国別適合パートナーシップ計画(ITPP)」を策定するための協議を進めており、7月に行われるNATO首脳会議の前にこれを完了しようとしている。

諸般の事実は、日本との軍事的結託を通じてアジア太平洋地域に進出しようとするNATOの企図が危険な実行段階に入ったということを如実に示している。

看過できないのは、このように憂慮すべき日本とNATO癒着関係の背後に「アジア版NATO」をつくり上げアジア太平洋地域で覇権的地位を維持してみようとする米国の黒い影が徘徊しているという事実である。

第2次世界大戦以後、「共産主義の侵略」から西側諸国を「防御」するという美名の下に、排他的軍事同盟であるNATOをつくり上げた米国が、アジア太平洋地域でもこのような軍事ブロックをつくろうと各方面から策動してきたことは公然の秘密である。

覇権的地位の追求に血眼になっている米国は、近年、アジア太平洋地域で自分らの地位が大きく揺らぐようになると、いつにもまして新しい軍事同盟創設により一層死活をかけて取り組んでいる。

米国が「Quad(クアッド)」を反中国安保協力体に変えたのに次いで「AUKUS(オーカス)」をつくり、「ファイブアイズ(五つの目)」を拡大しようとする等、様々な名目の対決同盟を「NATO化」しようと目論んでいることがこれをはっきり証明している。

ウクライナ事態が起きると米国は、好機にめぐり合ったかのように大西洋両岸とアジア太平洋地域の安保上関連性を云々し、地域の追従同盟国とNATO加盟国間の共謀・結託を口を極めて煽り立て、NATOを全地球的な軍事同盟に変身させてみようと狡猾に画策している。

「AUKUS(オーカス)」、「Quad(クアッド)」のような陣営対決の見本、排他的な安保協力体に日本と南朝鮮をはじめとする追従随勢力を引き入れ、これをNATOと結び付けて一つの巨大な反中国、反ロシア包囲環を構築しようとするのが、米国が追求する悪巧みである。

また、このような米国を後ろ盾にしてNATOという招かれざる客を引き込んででも周辺諸国をけん制し、軍事大国化を実現してみようとしているのが日本の下心である。

日本が機会あるごとに「今日のウクライナは明日の東アジア」、「台湾の有事は日本の有事」などと大げさに言い立てているのは、なんとしても地域に対するNATOの軍事的介入を合理化しようとする腹黒い下心から発したものである。

NATOとの軍事的結託過程を通じて、米国がはめた「かせ」を解いて「平和憲法」の束縛から脱しようとする日本の下心を地域諸国と国際社会は見抜いて久しい。

確かに日本は誤った打算をしている。

今日のアジア太平洋は日本帝国主義が「大東亜共栄圏」という非現実的な強欲に陥って欲しがっていた過去のアジア太平洋ではない。

日本が戦争と対決の代名詞であるNATOとの軍事的共謀・結託を強めるほど、地域の平和と安定を破壊し、列島の不安定と不可逆的な孤立を招くようになるだけである。

日本は外部勢力との軍事的結託と軍事大国化がすなわち、第2の亡国になるということを銘記すべきである。

(了)

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

●エルファテレビ  http://www.elufa-tv.net/


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