コリアニュース №959(2023.10.24)
印刷
チョ・チョルス外務省国際機構局長が談話発表

朝鮮民主主義人民共和国外務省のチョ・チョルス国際機構局長は23日、次のような談話を発表した。

(以下全文) 18日、国連安保理公開会議でパレスチナのガザ地区への人道的接近を許すことを骨子とする決議案に対する表決が行われた。

表決で絶対多数の加盟国が支持したが、唯一、米国だけがイスラエルの「自衛権」が言及されなかったという理由で拒否権を行使したので決議案は棄却された。

ガザ地区の病院に対するイスラエルの野獣のような爆撃によって、500人余りの民間人が死亡するという、第2次世界大戦以降最悪の人道主義的惨事が発生したことで国際社会が悲憤を禁じ得ずにいる時に、米国が発揮した「決断力」はまさに、非業の死を遂げたパレスチナの罪なき霊魂に対する冒涜だと言わざるを得ない。

これは、米国こそ国際人道主義法と国際人権法を無残に蹂躙し、反人倫犯罪行為を黙認、助長している大量殺戮の共犯者、人権蹂躙の主謀者、中東和平の敵であるということをはっきりと実証している。

特に問題視せざるを得ないのは、「自衛権」に対する米国の恥知らずのダブルスタンダードである。

周知のように米国は、朝鮮半島で強行される敵対勢力の大規模の侵略戦争策動に対処した朝鮮民主主義人民共和国の正々堂々たる自衛権行使を、ことごとく「国際平和と安全に対する脅威」などと言い掛かりをつけている。

このような米国が、民間人大虐殺をためらわずに行い、中東地域に人道主義的大惨事をもたらしている「同盟国」の蛮行に対しては「自衛権」を口実に庇護している。

周辺国家の安全にいささかの被害も与えない自衛権行使は「脅威」だと罵倒し、数千人の死者と人道主義的危機を発生させたイスラエルの行為は「自衛権」だと合理化するのは、誰にも納得されない極度のダブルスタンダード、破廉恥さの極みである。

行為の遂行者が親米国家であるのか反米国家であるのかによって正義と不正義を判別し、国連を自国の政治目的実現のための道具としか見なしていない米国こそ、公正な国際秩序を破壊する最大の犯罪国家であるということが再び証明された。

昨年4月に採択された国連総会の決議に従って、米国は数日内に193の国連加盟国の前で自国の拒否権行使の理由を説明すべきである。

事実、拒否権行使の理由を説明する制度自体も米国が国連安保理で自分らの強権と専横に反旗を翻す常任理事国を苦境に追い込むために考案したものである。

敵手らを「被告席」に座らせて集団的な圧迫を加えながら快哉を叫んでいた米国が、今回は自分が掘った落し穴に自ら陥る境遇になった。

国際社会は、強権と専横、ダブルスタンダードで地域と世界の平和と安全を破壊し、民間人大虐殺と人道主義的大惨事を黙認、助長している米国に対する糾弾の声を高めるべきであろう。

(了)

中東事態の張本人は米国だ

朝鮮中央通信社は23日、次のような論評を発表した。

(以下全文) 中東事態が日を追って悪化し、全面戦争へと刻一刻向かっている。

イスラエルでは、全面侵攻準備の命令が下され、ガザ地区に対する空爆が拡大されている。

イスラエル軍部の好戦狂らの中では、「近くパレスチナ領土を見ることになろう」という暴言が公然と吐かれている状況である。

全面戦争に拡大されうる危険を内包している中東事態は、全面的に米国によってもたらされた悲劇だというのが、国際社会の一様な声である。

事態の勃発とともに、米国はすぐにイスラエルに対する援助と武器支援を公約し、空母「ジェラルド・フォード」と「ドワイト・アイゼンハワー」を紛争水域に急派した。

国務長官と国防長官など米国の政界と軍部のトップに続いて大統領までイスラエルに飛来し、「米国が存在する限り、あなたたちは決して一人ではない」だの、「安保支援は続くであろう」だのと力説し、戦争を積極的に煽り立てた。

18日には、停戦を実現し人道主義的危機の解消を目的とした国連安保理の決議案に拒否権を行使し、中東事態の悪化を防止できるわずかな機会までことごとく潰した。

今回もやはり、いかなる独自の思考と定見もないアクチブ・オブザーバーの欧州連合(EU)が米国に相づちを打っている。

米国の偏見的かつ意図的な煽りによって、中東地域での大規模な殺戮戦は激化している。

19日、バイデンはイスラエルとウクライナが戦争で成功するのが「米国の国家安保にとって極めて重要である」と言い放ち、現地の手先に対する支援を含む1060億ドルの緊急支出を議会に要請した。

米国は、国内の政治と世界覇権戦略のためにパレスチナ領土を不法に占領し、絶え間ない武装攻撃と非人間的な民間人虐殺、ユダヤ人入植地の拡張などをこととするイスラエルを終始庇護し、これによって独立国家を建設しようとするパレスチナ人民の宿願が実現されず、彼らが被っている歴史的不公平が続いている。

米国が中東事態の根本原因をパレスチナに転嫁し、「侵略者」というレッテルを貼っているが、公正な国際社会はこれを断固排撃している。

アラブ連盟加盟国の外相たちは11日、カイロで緊急会議を開いてイスラエルが「二つの国家方案」交渉に復帰し、パレスチナ人民が生きていける国家を保障することを強く求め、独立されたパレスチナ国家なしに中東和平は不可能であると主張した。

世界の世論は、独善的かつダブルスタンダードな米国の対外政策によって、地球上の安定と安全が脅かされていると警告している。

国際社会は、米国の狂態を鋭意注視すべきであり、危険で愚かな企図を断固と糾弾、排撃すべきである。

(了)

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

●エルファテレビ  http://www.elufa-tv.net/


是非アクセスしてご覧下さい